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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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はじめての気持ちををあなたへ

はじめに、あい様。
17000カウンターお祝いコメ、ありがとうございます!
更新スピードが追いついてない感が半端ないぃぃぃ…ひいい
ちょっと気合入れて続き書いたのでアップします!

そんなわけで続きです。
夕鈴視点でお送りしております。
悩める乙女には素敵なお兄さんからの助言を!








後宮に戻ってきてから、3日経った。
世間的に見れば新婚も新婚。新婚真っ盛りと言ったところ。
一生に一度きり、まさにこの世の春なはず。
―――でも。でもでも。
私は、1人で悶々と考え続けていた。
……このままでいいのだろうか?
とにかく陛下の役に立ちたくて、がむしゃらに勉強してるけど、何か違う気がする。
でも私1人ではどうしても正解が分からない。
本気で気まずいけど、こうなったらもう、ここは誰かに頼るしかない。

そうすると、後宮の中で私が相談出来る相手は1人しかいない。
妃修行の合間、侍女さんたちが下がって行った隙を見計らって、私は声をあげた。
「……ねぇ、浩大いる?」
「んー?何かあった?お妃ちゃん」
天井裏から声がする。
よかった、今がチャンスよ。恥ずかしいとか言ってる場合じゃないわ!
幸い顔も見えないし、聞きやすいってもんよ!
「あの……新婚の男の人って、お嫁さんの横でただ寝てても、それでいいものなの?」

ゴツンと何かがぶつかる音がして、珍しいことに浩大が天井から落ちてきた。
さすがに床の上には見事に着地したけど、おでこが赤い。
天井裏のどこかに打ち付けたらしい。
「ちょっと、大丈夫!?おでこぶつけたの?」
心配する私を、浩大はうるさそうに手で遮った。
「いや、そこはどーでもいいから。
何、今の?陛下、もしかしてまだなんもしてねーの?」
ぐっ、と詰まった私を、浩大が目を見開いて見つめた。
そして王宮の方向に目をやると、笑ってるような、怒ってるような、なんとも言えない表情を浮かべた後、深く溜め息をついた。
それから私の顔に視線を戻して、ちょっとだけ呆れたような顔をしてから、もう一度溜め息をついた。
「そ、そんな顔しないでよ!他にこんなの聞ける人いなくてっ……」
「それで悩んでて、ここんとこ怖い顔して勉強してたワケ?」
やれやれとでも言いたげに浩大は言った。
やっぱり人から見てもここ数日の私は変な顔をしていたらしい。
「う……なんていうか、その、陛下はこれでいいのかなって」
「本人に聞いてみりゃあいいのに」
浩大の呆れきった声に、思わず顔が赤くなる。
「きっ、聞けないわよそんなの!
……もし陛下が全然そんなの気にしてなかったら、私から言うのもなんか変じゃない!!」
「気にしてないって、そんなわけないじゃん。
まあ、女から、しかも初夜じゃあ言いづらいってのはあるだろーけどサ」
ますます呆れ顔の浩大の言葉に、私は思わず食いついた。
「そんなわけないって、じゃあ男の人って、実際そういう時、どういう気持ちになるの?」
前のめる私の顔を見つめて、浩大は重々しく口を開いた。
「例えて言うなら……そうだな。
砂漠の真ん中で喉カラッカラになって歩いてるところに、やっと湧き水発見して喜んで近づいてったら、実はそれが蜃気楼で。
近くにあるように見えるのにいくら手を伸ばしても全然飲めないって感じに近いんじゃね?」

なんですって。
それってつまり―――

「じゃ、じゃあ陛下は今、すんごく辛いのに我慢してるってこと!?」
「言うまでもないよネ」
あっさり頷く浩大。
うそ。
あんなに何でも無さそうにしてるのに。
「へーか、我慢は得意じゃないって言ってたのに、何で……」
呆然とする私を見て、浩大が笑った。
「それこそ、言うまでもないだろ。何でだと思う?」
浩大は少し意地悪そうな微笑みを浮かべて私を見た。

……そうよ、言われるまでもないわよ。
陛下はいつだって、私に優しいの。
自分なんて、二の次にしちゃう人なの。

「お妃ちゃんさぁ、そんな泣きそうな顔すんなよ。
オレが陛下に怒られるから」
「泣いてないわよ!
ちょっと……自分が情けなくなっただけよっ」
陛下はきっと気付いたんだと思う。
私の迷いに。
拭おうとしても拭えない不安に。
私は、バカだ。
自分のことばっかりで、陛下のこと、ちゃんと考えてなかった。
「お妃ちゃんさぁ、もしかして、誰かになんか余計なこと言われた?」
浩大の問いかけに、ぶんぶんと首を横に振る。
「余計なことなんかじゃない。むしろ、聞けてよかったと思ってるの。
ただ……私って、陛下の為に何ができるんだろうって思ったら、怖くなったのかも。
なんにも持ってなんかないのに」
つぶやいた私の言葉を聞いた浩大は、猫みたいに首をかしげてこっちを見た。
どきりとするほど、真っ直ぐに。
「―――お妃ちゃんはサ、何しにここに戻って来たんだっけ?」
「なに、って……」
「思いだしてみなよ。蓉州まで行って、妓館に潜入までして、やっと陛下に会えてサ。
それで、何がしたくてこんなとこまで戻って来たのか」

何が、したいか。
ここで、どう生きて行きたいか。
そうだ。
私は、陛下の―――

からからとから回っていた糸車に、確かに糸が巻かれた手ごたえがした。
そうか。
そんな簡単なことだったんだ。
老師だって言ってたじゃない。
大事なものを見失うなって。

私はばちんと両手で頬を叩いた。
「ありがと、浩大。目が覚めたわ」
ぐっと拳を握って笑うと、浩大もニッと笑った。
「そうそう、アンタはアンタらしくぶつかってってやればいいよ。
第一考えるの性に合ってねーんだし」
なによそれ。
人を考えなしみたいに言うのは止めて欲しいけど、いいわ。
今回ばっかりは、許す。
「ほんと、そうよね。最初っから答えは私の中にあったのに」
私は陽の光に照り映える王宮の甍を見つめた。

陛下。
今日こそ、あなたに伝えたい。
私はこういうことに不器用だから。
それこそ細い糸を紡ぐように、少ししか伝わらないかもしれないけど。
それでも私はあなたの、あなただけの花嫁だから。

「早く、会いたいな」
つぶやいた私を見た浩大は、くすぐったそうに笑ってから天井裏に消えた。



後記。
またしても続きます。

そう、私は浩大が好きです……
好きなんです!!




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はじめての | コメント:2 |
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-11-29 Sun 23:59 | | [ 編集 ]
あい様。
一番拍手ありがとうございますっ(*´∇`*)
誘っちゃいますかねぇー♪ニラニラ
ご夫婦に幸せなはじめてを迎えてもらえるように。
頑張り…ます…
そういうつもりでは、います……(;・ω・)

ああ、お仲間ですね~!
私も追い詰められないとやらない人間です。
夏休みの宿題は最後の3日に本気出すタイプ……
このままではクリスマス何も書かずに過ぎてしまう(T-T)
2015-12-02 Wed 01:07 | URL | rejea [ 編集 ]

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