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番外編~相変わらずのHalloween★Night~

ふざけたシリーズにふざけたタイトルで。
もちろん内容もふざけてます。
イベントが絡んでも、相変わらずガッカリな二人です。
大した進展の無い話ですが、よろしければ続きへどうぞ。

ハロウィンナイト




狼元帥・黎翔は朝からうきうきと高揚していた。
何故なら。
(今日はハロウィン……
つまり堂々と『悪戯』できる日なわけだ。)
可愛らしい恋人といちゃつくには、うってつけの口実である。
正直いつでもどこでも触りたいのだが、最近の彼女のガードは鉄壁。
なかなか触らせてもらえずにいる黎翔としては、こうしたイベントを逃したくないのだ。
恐らく教育係の瑠霞も今夜はホームパーティーの為に定時で上がるはず。
今日は、まさに黎翔にとって大きなチャンスであった。
お菓子よりも甘い夕鈴に、どんな悪戯を仕掛けようか。
黎翔は期待に胸を躍らせて、その時を待った。



「失礼しまーす。」
その夜、夕鈴が淑女教育を終えていつものようにお茶を持ってきた。
黎翔の好きなアールグレイ。
彼女を思わせる爽やかな甘い薫りが、煽るように手許から広がった。
てきぱきと茶を用意する夕鈴の髪には、黎翔が贈った紫のリボンが揺れている。
「ああ、よく似合う。とても可愛らしいよ。」
つ、と指先でリボンに、ついで髪に触れる。
「ありがとうございます。
カボチャとかオバケも付いててカワイイですよね。このリボン!」
夕鈴はニコニコと上機嫌だ。
女子たるもの、やはりカワイイ意匠の季節モノには弱いのだ。
黎翔もにこりと笑った。
紫色は、夕鈴の白い肌によく映える。
白くすらりとした脚に、レースをあしらった長く美しい紫のリボンをかけたらどうだろう。
そんな下らない妄想が止まらない。
(お菓子じゃなくて私を食べて、とか言わせたいところだが……)
口に出すとおそらく即嫌われるので、笑顔に欲望を隠し、出来るだけ紳士を演じる。
黎翔はすっと軍帽を外して机に置くと、夕鈴の横へ並ぶ。
くるくるとポニーテールの毛先を指で弄びながら、甘く低く、彼は囁いた。
「夕鈴、今夜はハロウィンだ。
少しの悪戯なら君も許してくれるだろう?
どんな菓子よりも甘く薫り高い君に、触れさせてはくれないか……」
頭の後ろへとそっと手を回し、耳へ、頬へと指先を滑らせる。
くすぐったそうに身じろぎした夕鈴の、桃色に色づく柔らかな唇を味わうべく。
黎翔はそっと目を閉じ、愛しい恋人へと顔を寄せた。


がさ。


口づけしたと思った瞬間、唇には無機質な感触が。
「……夕鈴、これは何だ?」
二人の顔の真ん中に、可愛らしくラッピングされた包みが一つ。
「今夜はハロウィンですから。
えーっとつまりですね。
……お菓子を用意したので、悪戯は無しでお願いします。」
黎翔はがっくりと項垂れた。
「夕鈴、君はいつからそんな手管を使うようになったんだ……」
完全にあの忌々しい叔母の悪影響としか思えない。
すっかり意気消沈した黎翔を見て、さすがに不憫に思ったのか。
夕鈴は包みの中からカボチャの形をしたクッキーを一枚取り出した。
「これ、私が焼いたんです。元帥に食べてもらいたくて。
食べてもらえますか?」
首をかしげて可愛く尋ねる兎に、狼は溜息を吐きつつ陥落した。
「……それは勿論。喜んで頂こう。」
それを聞いた夕鈴はほっとしたようにふわりと笑った。
「よかったあ。
はい、元帥。あーん。」
「え?」
「え?じゃなくって。口開けてください。
ほら、あーん?」
思いがけない兎の攻撃。
黎翔は薄らと頬を染めて口を開け、夕鈴の手から甘いクッキーを受け取った。
「……うん、とても美味しい。」
「ふふ、嬉しい。たくさん食べて下さいね?」
(元帥、ちょっと赤くなってる……?
なんだか、かわいい!)
にこにこ嬉しそうな夕鈴。
一方。
(何だって、こんなにも君は可愛らしいんだ!!)
黎翔は顔を手で覆って身悶えた。
(こんなにも可愛く、愛しい君に触れるなだと!?
無理だろう、そんなの!!
押し倒すのは諦めるとして、やはりキスくらいはさせてもらう!!)
そのまま盛り上がって夕鈴の気が変われば、寝室に場所を移してもいいのだ。
黎翔は不埒な期待をしつつ夕鈴の細い肩にそっと手を添えた。
「夕鈴……君が嫌がることはしないと約束する。」
「え?嫌がることって―――?」
黎翔がもう一度夕鈴の唇に顔を寄せたその時。


「夕鈴殿、そろそろ時間ですよ。
さっさと会場を飾り付けてしまいましょう。」
「花嫁ちゃん、瑠霞さまからパンプキンパイ預ってきたヨ!」
「元帥閣下、旨い酒持って来たんで今夜は飲みましょう。」
「夕鈴お姉さま、私もお姉さまの為にお菓子を持って参りましたわ♪」
「水月、貴様しゃっきりしろ!!」
「イマイチ今日の為に作って来た曲がしっくりこなくて……」

見知った顔が一斉に執務室へなだれ込んできた。
ぽかんとする黎翔に、夕鈴はいたずらっぽく笑う。
「びっくりしました?
今夜はサプライズ・ハロウィンパーティーです!
内緒で招待状作ったり、飾りを作ったりしてたんですよっ」
黎翔がぽかんとしている間にどんどん執務室は飾り付けられ、パーティーの準備が進んでいく。
夕鈴は輝くような笑顔を浮かべててきぱきとお菓子や飲み物を並べていく。
(いや……夕鈴……君の私への好意はすごく感じるんだが……)
一つ一つ手が込んでいて、忙しい仕事と淑女教育の合間に心を込めて作ったのが伝わってくる。
それだけに二人きりでいちゃつきたかったという本音が言いだせずに、黎翔はがくりと肩を落とした。
「じゃぁ、皆さん!
ハッピー・ハロウィーン!!」
黎翔の心とは裏腹に、楽しげな声が執務室に響く。

パーティーが始まり、しばらく黎翔の様子を見ていた浩大と克右は、紅珠と話し込む夕鈴の許へ向かった。
「あのさ、花嫁ちゃん……」
「ちょっと、耳貸してくれるか?娘さん。」
男二人に何やら言われた夕鈴は目を丸くして、ちょっとの間考え込んだ。
そして、一人黙々と酒を含む黎翔のところへ近寄って行った。
「元帥、元気無いんですか?」
「なんというか、元気ではあるが発揮する場が無いというか。
まぁ、気にしないでくれ。」
そうは言っても明らかに元気が無いように見受けられる黎翔に、夕鈴は尋ねた。
「もしかして……私と二人で過ごしたかった、ですか?」
図星を突かれてむうっとした顔で黙ってしまった黎翔を見て、夕鈴はなんだかおかしくなった。
(浩大と克右さんの言ってた通りだったのね……
このひとって、本当はすごい人なのに、こういうところはまるで子供みたい。)
なんだか大きな弟でもできたかのようだ。
(ようするに、拗ねてるってことよね?)
なら、ちょっとは元気づけてあげないとかわいそうかもしれない。
夕鈴は机に置かれていた軍帽を手に取った。
「元帥、ちょっとこっち向いて下さい。」
そう言って顔を向けさせると、そのすぐ横に軍帽をかざした。
黎翔が訝しげに顔を向けたその一瞬。
ふわ、と温かく柔らかいものが唇に触れ、離れて行った。
「え……夕鈴?」
今触れたものは、確かに彼女の唇だった。
どうして、急に。
見詰める黎翔の視線に耐えられず、夕鈴は俯いた。
「えっと、その、今日はハロウィンなのに、元帥は私にお菓子をくれなかったでしょう?
だから……ちょっとだけいたずらしただけです!」
ぷいっと反らしたその顔は真っ赤に染まっている。
「本当に、なんで君はそんなに可愛いんだろうな……」
黎翔はつられて赤くなった顔に手を当て溜息を吐いた。

帽子の陰に隠れていたから大丈夫だと思って大胆な行動に出た夕鈴だったが。
勿論その影で何が行われていたかその場の全員が分かっていた。
その後、急激に機嫌が良くなった黎翔が夕鈴の口にパンプキンパイを運んだり、口許を優しく拭ったりという胸やけを催すようなバカ甘い光景を散々見せられた一同は、それでも
(バカップル……)
という言葉を飲みこんで、それぞれが見て見ぬフリ、という大人の対応をとった。
その中でただ一人、氾 紅珠だけが瞳を輝かせなにやらペンを走らせていたらしい。

数日後、『紅い瞳の吸血鬼と、聖なる巫女のロマンス―――ハロウィンの夜の甘い夢―――』なる小説が一部の女子の間で持て囃されることになるのを、夕鈴も黎翔も今はまだ知る由もないのであった。



後記。
季節ネタの絵が描きたくなって、久しぶりにこの二人を描きました。
当ブログでハロウィン←脚フェチ元帥とミニスカ兎しかいないなぁ…じゃぁ話の続きも書くか!
というわけで、シリーズ再開の運びとなりました。
ネタが無い時は絵を描いてみるものだなと、改めて思いました。
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白陽帝国の花嫁Ⅱ | コメント:6 |
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-10-18 Sun 07:10 | | [ 編集 ]
あら?ちょっと良い目に…。

でも、残念スペック発動(笑)←酷い

下ネタバンザイヽ(^0^)ノ大抵のネタには、反応スキルが御座います(笑)
2015-10-18 Sun 11:31 | URL | 行 [ 編集 ]
あい様。
絵を描くにあたって、元帥と衛生兵のハロウィン→がさ。しかないかな、と。
紅珠先生の書くお話はきらきら乙女チックなロマンス満載なんでしょうね♪
元帥には無理だな…

いや、変態ストーリーだなんてそんなっ!
本当にあい様宅の陛下は素晴らしいです!
理想のエロ狼♪ヽ(´▽`)/
毎回ご馳走さまですっ
2015-10-21 Wed 00:21 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
イベント事なのでちょっと良い目に合わせてみました。
本編はどうしよう…

マグナム乗って頂けてめっちゃ嬉しかったです(*´∀`)♪
また下ネタ思い付いたらよろしくお願いします(笑)
2015-10-21 Wed 00:26 | URL | rejea [ 編集 ]
はじめまして!あるブログを拝見していたら、このブログに出会いました。私もブログを開設しています。「鬼藤千春の小説・短歌」で検索できます。一度訪問してみて下さい。よろしくお願い致します。b
2015-10-25 Sun 13:59 | URL | 鬼藤千春の小説・短歌 [ 編集 ]
鬼藤千春様。
はじめまして。コメントありがとうございます。
もしよろしければ今後も覗いてやってくださいませ。
2015-10-27 Tue 21:44 | URL | rejea [ 編集 ]

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