星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

清く正しいお付き合い 1

久し振りに戻って参りました、ガッカリ元帥とミニスカ兎です。
なんも考えずに書けるのがこの二人の良いところです。


カテゴリー『白陽帝国の花嫁』が初めての方へ。
苦手な方もおられるかと思いますのでお読みください!

ご注意。
こちらは軍服パロです。
キャラクター崩壊しています。

珀 黎翔……軍事国家「白陽帝国」の帝国軍最高司令官。通称・狼元帥。
     性格はガッカリな肉食系。多分アホの子。脚フェチ。
汀 夕鈴……元帥専属の衛生兵(という名のメイド)。
     ミニスカート軍服を着こなす美脚の人。
     恋愛スキルはひよこレベル。最近元帥の婚約者になった。
李順  ……筆頭書記官。腹黒いが割とまとも。
     元帥に振り回される苦労人。夕鈴に信頼されている。

大体こんな感じです。全編通してアホな感じのシリーズです。
なんでも大丈夫な方向けでございますので、ご了承頂けましたらご覧下さい。



「……今何と?
もう一度言ってみろ、李順。」
ここは軍事国家 白陽帝国。
帝都に高くそびえる軍事要塞『黒牙』の執務室は、今まさに一触即発の事態を迎えていた。
ベルベットの椅子に座った帝国軍最高司令官である珀 黎翔は、目の前の筆頭書記官の喉笛を噛み千切らんばかりの眼差しで睨み付けた。
大抵の者なら竦み上がってしまうが、さすがに李順は長い付き合い。キッと向かい合い、声を張り上げた。
「お分かりになるまで何度でも申し上げます。
……夕鈴殿との婚前交渉は、禁止です!!」

先日やっとお互いの気持ちを確認し、晴れて『結婚を前提としたお付き合い』が始まった黎翔と夕鈴。
ずっと夕鈴に避けられていた黎翔にしてみれば、これから起こるであろう恋人同士のあれやこれやに期待するのも無理はない。
そこへ思いっきり冷水を浴びせてきた李順の言葉に思わず殺気立ったというわけだ。
「お前は自分が何を言っているか分かっているのか。」
「十分承知しております。
元帥こそ、ご自身の立場を弁えて下さい!」
睨み合う二人に挟まれた夕鈴はというと。
(こんぜんこーしょー……結婚後のルールを事前に話し合って決めたりすること?
確かに元帥くらいエラい人になると簡単に決めていいことじゃないのかも……)
と、思い切り意味をはき違えていた。
えらい人って色々大変だな、くらいにしか思っていない夕鈴と違って、二人は益々ヒートアップしていく。
「貴様、最近私に対して随分な態度をとるようになったものだな……
そんなに狼の牙にかけられたいか?」
「何と脅されてもここは引けませんよ。
これは、夕鈴殿の為でもあります!」
キッと眼鏡を光らせた李順は、さらに言い募る。
「いいですか、あなたは夕鈴殿の雇用主なんです。
そして夕鈴殿は婚約者である前に、未成年の被雇用者です!
爛れた職場に娘を置いておきたいと思う親御さんがいると思いますか!?」
極々真っ当な李順の主張に、黎翔はぐっと言葉を詰まらせた。
「そもそもまだお父様に挨拶すらしていないと言うのに……
何が婚前交渉ですか。
国家の最高権力者たる自覚を持ってご自身を律するべきでしょう。」
痛いところを次々に突かれた黎翔は不愉快そうに沈黙した。

所在なげに立っていた夕鈴に書類を会議室へ届けるよう言いつけた李順は、二人きりになった執務室で、もう一度眼鏡を光らせた。
「彼女が巷でなんと言われているかご存知でしょう?
恐ろしい狼を誑かす魔性の女と既に噂の的ですよ。
この上さらに、体を使ってたらし込んだなどと言われたくないでしょうし……」
黎翔の婚姻は国にとっての一大イベント。
夕鈴はこの先、国民全ての関心を良くも悪くも一身に集めるだろう。
そして本人の気持ちなどお構いなしに、面白おかしく好き勝手に批評され、揶揄される。
真面目な夕鈴が傷付くであろうことは、いとも容易く想像がつく。
「ですから、彼女のことを思うなら、くれぐれも慎重にお願いしますよ!」
半分は自分の要らぬ仕事を増やさない為なのだが、そこはあえて言う必要もない。
李順はひたすら『夕鈴の為』を強調した。
「……分かった。善処する。」
不承不承、黎翔も頷いた。
自分勝手極まりない男だが、夕鈴に対してだけは多少譲ることを知っている。
困った狼元帥を攻めるならまず、そこなのだ。
李順は満足げに頷いた。
「私だとて鬼ではありません。
全く触れるなとは言いませんが、節度を持って接して頂きたいのですよ。」
「つまり、どこまでが許容範囲だと?」
「夕鈴殿の恋愛スキルを考えれば、せいぜい上手くいってディープキス程度なのではないですかね。」
「貴様はやはりただの鬼だぞ……
それでは今までとそんなに変わらんではないか!」
李順は心底意外だという表情をわざとらしく浮かべて言った。
「何を仰いますか。
今やお二人は互いを思う心で結ばれているのです。
体の関係を急がずともよいではありませんか。」
黎翔は思わず机に突っ伏した。
「こっちは子供じゃないんだぞ。」
「まだ子供のような娘に入れ込んだのはどなたでしたっけね。
そんなことばかり言っていると、また嫌われますよ。」
今ならまだ婚約を白紙に戻すことも容易ですし、と言ってさっさと報告書を広げ出す李順に、もはや黎翔は溜め息をつくことしか出来なかった。


一方、執務室に戻ろうとした夕鈴は、背中から声をかけられ立ち止まった。
「貴女……もしかして汀 夕鈴さん?」
振り向いた先には、しっとりと麗しい声に相応しい、どきりとするほどの美女が立っていた。
「そうですが……あの、どちら様ですか?」
夕鈴を楽しそうに眺めながら、美女は近づいてくる。
(わっ……歩く度に胸揺れてる!)
はだけた軍服からは豊満で形のよい胸がこぼれそうになっている。
真っ赤になった夕鈴の前に立った美女は、にっこりと微笑んだ。
「あの子を骨抜きにした『帝国一の悪女』だなんていうからどんな女狐かと思ったら……
まさか、こんなにかわいらしいウサギちゃんだったなんてね。
初めまして。私は諜報部の珀 瑠霞。
今日から貴女の教育係を拝命した者よ。」
うふふ、と笑う瑠霞の紅い瞳。
(この人、元帥に似てるーーー?
それに珀って……)
戸惑う夕鈴の肩を抱くように寄り添い、瑠霞は耳許で囁いた。
「詳しい話は執務室でね。
……かわいいウサギちゃん?」



後記。
相変わらずがっかりな、しょーもないお付き合い編です。

腹黒い李順さんと瑠霞さまは書いてて楽しいです。
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-10-09 Fri 07:45 | | [ 編集 ]
腹黒、万歳!
さて、今後は?
腹黒同士の火花炸裂かしら?(笑)
2015-10-09 Fri 08:40 | URL | くみ [ 編集 ]
やったー!残念元帥再び!ww
腹黒い人達も出て来てるよー(笑)
楽しみが増えたよー(笑)待ってるよー(笑)
大丈夫!ちゃんと大人らしく待て、出来るからww
2015-10-09 Fri 11:22 | URL | 行 [ 編集 ]
残念元帥だ!!

残念でもヘタレでも狼なのにこのタイトル…夜中に見て声殺して笑うのが大変でした(笑)
続き良いコに待ってます(*´∀`)♪
2015-10-10 Sat 10:49 | URL | りこ [ 編集 ]
あい様。
私も最近カウンターについていけてないのです…←オイ

がっかり感が増してしまってる気がします。この二人。
こちらのまんじゅううさぎ、まだふかしてない状態??生??
っ感じですよね。
ひたすら食べられなさそう。。。
ぜひこれからもガッカリしてください(笑)
2015-10-10 Sat 21:35 | URL | rejea [ 編集 ]
くみ様。
腹黒い二人はですね~。
腹黒タッグを組んできます!
帰って来た元帥には敵がいっぱいです♪
正直、敵が強すぎて全然甘くなる予感がしません!←駄目だろう…
2015-10-10 Sat 21:39 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
残念な子の帰還を喜んで下さるなんて…
嬉しいです!
ますますガッカリ&残念にできるように頑張ります♪
元帥をニラニラからかっていきたいと思いますヽ(´ω` )ニラ☆
2015-10-10 Sat 21:46 | URL | rejea [ 編集 ]
りこ様。
りこ様も元帥気に入って下さったんですか~~!?
嬉しい!

狼っぽさは話し方くらいですね、もはや。
元帥の望んでいない、中学生のような初々しいお付き合いを目指します(笑)
むしろ保育園児の息子とガールフレンドちゃんの方が今のところ進んでるレベル…
2015-10-10 Sat 21:50 | URL | rejea [ 編集 ]

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