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昔日

久しぶりの更新です~。
上期末で抜け殻になってました…

さてさて本題!!
9000キリ番リクエストでございます!
あい様、リクありがとうございます♪

リク内容でございますが

『克右の元カノの話』

とのこと!\(^o^)/なにそれ萌える!!
天狼星というシリーズで過去捏造しまくったのですが、設定をそのまま流用しますっ!
辺境に出陣する前、男たち皆で壬州で過ごしていたということで読んで下さいませ。

つきあってた当時の年齢は大体
克右…19歳
浩大…16歳
元カノ…22~3歳

書き出しはコミックス10巻。
壬州の視察の時のお話です。


捏造でもオリキャラでもいいよ(*゚▽゚)ノというひろーーーい心の方はご覧下さい♪
正直スランプ明けなので上げるのコワイのですが…




―――私っ……そんな立場じゃないですから―――

華奢な肩を震わせながら大きな目にたくさん涙を溜めた少女。
克右は先程の様子を思い出して天を仰いだ。
(あーやっちまったなぁ……
無遠慮に踏み込んじゃいかんところだったか。)
あの方の想い人である市井の少女。
どう見ても二人は相思相愛だが、それを彼女は泣きながら否定した。
まるで、自分の気持ちを閉じ込めるかのように下を向き。
その様は克右に甘く苦い壬州での日々を思い起こさせた。
(どうして佳い女ってのは皆そうやって身を引きたがるんだろうなぁ……)
短い月日ながら、心から愛した女性。
彼女もまた、そういった人だった。





当時の彼女の年齢を優に越したが、克右は未だにあの人に比べ、自分はガキなのだと折に触れ思う。
体が弱く、また身寄りのない彼女は縫い物や代筆などの細かな手仕事で生計を立てていた。
本が好きで、体調の悪い日はよく寝台で読み物をしていた。
彼女はとても思慮深い人で、克右に余計なことを一切訊ねなかった。
着物が刃物で断ち切られていても、体に傷を付けて帰ってきても。
心配げな顔はするが黙って手当てをし、穏やかに微笑みながら繕ってくれる。
突然、窓から逆さまに顔を出して克右を呼び出す浩大についても何も訪ねず。
庶民にとってはなかなか手のでない類の本を
「知り合いがもう使わないそうだから。」
と、克右が大量に持ってきた時も。
克右の主だ、といって紅い瞳の恐ろしいほど顔の整った少年が、眼鏡の聡明そうな青年を伴い手土産を持って現れた時も。
その度に驚いてはいたが、それでも何も訊ねなかった。

「克右はきっと、もっと大きくなるね。いつか私の手が届かなくなるくらいに。」
そう言って、背伸びして克右の頭に触れる時だけいつも少し寂しげに笑っていた。
今にして思えば、当時の自分は彼女に与えられる安らぎに甘えきっていて、その笑顔に透けて見えるものから目を逸らしていたのだろう。
克右は苦い記憶として、彼女の綺麗な笑顔を思い起こした。


共にいたのは短い期間であったものの、その後辺境へ旅立った克右の心を支えたのは、彼女の存在だった。
彼女を幸せに。
その為に、必ず生き抜く。
ただ、その想いで剣を振るい、前線で血にまみれた。

3年後。
黎翔が次の王になることが決まり、にわかに克右の周りは慌ただしくなった。
黎翔らは王都への帰還が決まり、克右には軍部での昇進が告げられた。
次の時代に向けて慌ただしく日々は過ぎ。
壬州へ戻れたのはそれから一月後のことだった。

これで彼女を幸せにできる。
良い医者に見せ、温かい部屋を整え。
自分が戦地に赴いている時は人を雇って。
克右は温かい未来に思いを馳せて、彼女の家へと駆けた。
だが、そこで克右が見たものは、あんなに好きだった本の一冊すら無い、がらんとした部屋だけだった。
大家に聞いたところ、美しくまだ若い、紅い瞳の王が即位するという噂が流れた頃に突然行き先を告げずに越したという。
克右はそれからひたすら彼女を探し続けた。
だが、どんなに探しても彼女の行方は知れなかった。


数日後、抜け殻のようになった克右の元に、浩大が久しぶりに顔を出した。
「情けない顔してんね、軍人サン。
それが戦場の鬼神の右腕って言われてた奴のツラだと思うと笑えるネ。」
「……何の用だ、隠密。」
「別に用なんて無いけどサ。
強いて言えば、『僕捨てられちゃってカワイソウ~』みたいな態度とってるらしいから、笑いに来たってとこかな?」
不愉快そうに笑う浩大の首元を、克右は思い切り掴んだ。
「お前に、何が分かる!!」
今にも殴りかかりそうになる克右を、醒めた目で見詰め返し浩大は告げた。
「オレはただの『道具』だよ。
アンタの気持ちなんて分かるわけないダロ?」
こういう真っ直ぐすぎる奴は、だから面倒で嫌いなんだとでも言いたげに。
「ただ―――アンタは知ってるんだろ、軍人サン。
あの人がどんな女だったか、サ。」

不意に彼女の笑顔がよぎった。
あれはいつのことだったか。
二人並んで空を悠々と舞う鷲を見かけた時か。

―――克右はもっと高い所にいけるよ。きっと私の手が届かないくらいに―――

彼女は感の良い人だった。
王の噂を聞いてきっと全てを悟ったのだろう。そして、自ら身を引いた―――
克右が体の弱い自分を捨てていけないことを分かっていたから。
彼らの敵に対する弱みになると解っていても。

「そうだよな―――あの人のこと……俺が一番よく知ってるのにな。」
微笑んだ克右の目から静かに流れる涙に、浩大は顔を背けた。



過去の思い出に浸った克右は、一人思い切り肩を落とした。
(あーーーー……結構なダメージくらうな、これ……)
盛大に溜息が洩れる。
(あの方と娘さんをなんとなく放っておけないのって、私情が混ざっちまってるんだろうな。)
まだ若いあの二人。
もちろん前途が明るい訳ではないと知っているけれど。
出来ることなら傍に居られるといい。
あの人が自分の為に選んだ道も決して間違いではないと解っていても、それでも違う道があるというのなら、それを見てみたい。

ぼんやりと歩く克右の背後から明るい声がした。
「あれー、軍人サン。いつにも増して腑抜けた顔してンね。」
「お前……相変わらず酷いな隠密。」
うんざりした顔で振り向いた克右に、浩大はニッと笑った。
「仕事が落ち着いたら、酒付き合ってやってもいいよ?軍人サンの奢りで。」
珍しいこともあるもんだなと驚いた克右に、浩大はさらに告げた。
「題して『懐かしい街でがっつり失恋思い出してへこんだ軍人サンを慰める会(笑)』。」
「……お前のその何でも分かってますって感じ、本当腹立つな。年下のくせに。」
睨む克右を横目に、浩大は愉しげに笑った。

後日。
きちんと飲み会は開催されたのだが。
「―――ですから私としては庶民の娘にあれ程入れ込むなどと……聞いてますか、克右!」
「ああ……聞いてるよ李順。」
もう何度目か分からない愚痴を延々聞かされる克右。
克右を挟んで反対側に陣取った浩大はそんな二人などどこ吹く風で酒のお代りを要求している。
(なんか……完全に主旨違うよなコレ。しかも俺の驕りって……)
「聞いてるんですか、克右!!!」
「ああああああもう聞いてるっての!!」
「すいませーん、こっちの地酒も追加で♪」
克右の心情的にも財布的にもやるせ無い夜はこうして更けていったのだった。

涙顔



後記。
あい様、お望みのものとは違うかもしれませんがどうかお納めください(へこへこ)
ただただ、ポニーテールこっくーを泣かせたかっただけです←ばれてる??
ポニテなのは若さを出せるかなと…
良い人同士だと辛そうなので、克右の彼女はやっぱりS女がいいと思います!キリっ(*・ω・)ゞ

あ、因みに最後の飲み会は巻末のおまけマンガをイメージしてます。
カオスな飲み会…

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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-10-03 Sat 18:05 | | [ 編集 ]
あい様。
素早いコメントありがとうございますっ!
ど真ん中…でした?
優しい~~。゚(゚´Д`゚)゚。なんか甘くないし暗い話になっちゃってもう。
(こっくー泣かすとか思っちゃったのでついついこうなっちゃいまして…)
しかもなかなかまとまらなくて、まとまらないまま上げたというこの有り様。
でも愛は詰まってますので!
2015-10-03 Sat 23:41 | URL | rejea [ 編集 ]

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