星空の隙間

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天狼星 2  娼婦の憂い

注)シリアスです。過去をねつ造しております。浩大がちょこっと大人の発言を致します。


「せっかく好きな男に辿りついたって時に、自分からどこかに消えるなんて、考えられないのよね。」
娼婦はふぅ、と溜息を吐く。
「あの子のうちには病気の妹だっているのにさ。」
思わず呟いてから
「あら、暗い話でごめんなさいね。」
にっこり微笑む。
「他の4人だって、黙って足抜けするような妓じゃないのよ。だれか、良くないことを考えてる男に連れ去られたんじゃないかって、ここらの妓たちはみんな怯えてるわ。」
彼女が困ったように笑った時、また部屋の扉が躊躇いもなく開かれた。
「あっれーみんなお揃いで。何の話してンの?」
童顔な少年がにこにこと入ってくる。
「あら、お兄さんもこっちに来ちゃったのね。あの妓は?」
「んー、疲れて寝ちゃったみたい。あんまりいじめちゃかわいそうでショ?」
ニヤリ、と克右を見る目は明らかに馬鹿にしている。
―――どうせ格好つけて酒でもちんたら飲んで、またお預けくらってんだろ。このヘタレ軍人。

やっぱりこいつは腹が立つ。
克右は苛立ちを抑えつつ酒を流し込んだ。

「それで何の話してんの?」
「最近続いてる、女の子たちの行方不明の話。浩兄さんも気になるだろ?」
黎翔が猫を被ったままで言う。本人のイメージとすると子犬だそうだが。
「あーオレの相手してくれた妓もそんなような事言ってたな。やっぱりここ最近多いわけ?」
「今日もまた1人。このお姐さんの知り合いだって。」
「ふーん。おっかない話だね。お姐さんも美人なんだから気をつけなくっちゃ。夜歩きは心配だな。やっぱり、ここらの地域の妓ばっかりなんだろ?」
浩大はにこにこと抜け目なく話を掘り下げる。

……ああ、また厄介事の臭いがする。
怒り狂う黎翔の側近の顔が脳裏に浮かんで、克右はぶるりと体を震わせた。


半刻後、粗方話を聞き終えた三人は娼館を後にした。
「明らかに怪しいな。足抜けにしては頻度が高すぎる。」
細かいことを気にしない克右でも、さすがにおかしいと感じる。
「ふん。面白くなってきたな。浩大。」
「まぁ、どこの店のどの妓が居なくなってるのかは聞き出せたから後は大ちゃんにお任せあれ!」
黎翔の一声で浩大はひらり、と闇の中に身を投じる。
「一刻後。黎翔様の部屋で。」
闇の中から声だけが返ってくる。
二人は完全にやる気だ。
「本当、勘弁して下さいよ……。李順に怒られるのは私なんですからね。」
克右の呟きは拾われることなく、夜の道に溶けて消えた。


後記。
李順さんは安定のお留守番です。
でもきっと克右さんにお小遣い渡してると思います。黎翔に嘘でも、ひと時でもいいから安らいで欲しいと思ってるので。
そんなお兄さんたちの気遣いで娼館に行き慣れた陛下は、「女の人の扱いには慣れてるのに、恋愛偏差値は低め」な人になってしまったという、裏設定でございました。
陛下はきっと心も体も許さないでしょうけど、浩大はちゃっかり楽しんだイメージです。彼がある意味一番大人。
克右さんは、こちらも安定の苦労性です(笑)
次は李順さんのターンです。
書けるかな。。。(*_*;)
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コメント

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2015-04-18 Sat 00:42 | | [ 編集 ]
あい様。
隠れ肉食系大ちゃん(笑)
ステキな響きですね(*^_^*)
私の力ではあれが限界でした……お色気って難しいですね。本当に他のブログの管理人様はすごいなあと改めて思いました。
李順さんも本誌で女慣れ発言(女性を泣かせるなんて面倒くさいことはしない)してましたもんね。
私生活に何かありそうです!
2015-04-18 Sat 11:20 | URL | rejea [ 編集 ]

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