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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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狼な嫁と兎な陛下 7

御無沙汰してしまいました!
LaLa発売週だったのに、毎日の残業プラス子供の誕生日、さらには保育所の行事までが被るという修羅場を迎え、ひいひい言っておりました。
昨日は方淵ばりに眉間にシワ寄せて21時まで頑張ったのに、仕事は終わらないのであります!

あとですね。
無沙汰をしている間にカウンターが7000を記録致しました!
皆さまありがとうございます♪
ひっそりとリクエスト受け付けてますので、キリ番踏んじゃった方でご要望ありましたらお声かけ下さいませ。





夕鈴はぼんやりしながら目を開けた。
見慣れた天井が視界に入る。
(あれ……私、どうしたんだっけ?)
ゆっくり身を起こしながら、昨日のことを思い出す。
(陛下と体が入れ替わっちゃって、その間は陛下の自室で大人しくしてたのよね。
その後は……多分、元に戻ったんだろうけどイマイチ覚えてないわ……)

うーんと唸りつつ考えていると、妃付きの侍女が声をかけてきた。
「お目覚めでしょうか?お妃さま。」
「あっ、はい!お早うございます!」
普段は声をかけられる前に起きているのに、今日は寝坊してしまったのだろうか。
夕鈴は慌てて寝台から降りた。
「どうぞごゆるりと、お妃さま。
陛下からもよくお休みなさるように、との事でございます。」
夕鈴は首を傾げた。
なんだか、いつもより侍女さんの目が輝いている。
すべすべの頬もどことなく色付いているような。
「陛下が、昨夜私の部屋へいらしたんですか?」
「ええ、宿居(とのい)の者によりますと、明け方陛下御みずから、お妃さまを抱きかかえていらしたそうです。
政務で朝早い為、お妃さまはこちらでゆっくり休ませるように、とのご下命があったそうですわ。」
夕鈴は再度クビを傾げた。
(え?陛下と私は、どこから来たの?明け方?二人で??)
「昨日のお妃さまは何時になく積極的でいらっしゃいましたから……
ご寵愛もひとしおでしたのでしょうね。
さぁ、お疲れでございましょう。湯殿の用意も出来ておりますし、朝餉も整っております。
どちらに致しましょう?」

夕鈴はポカンと口を開けた。
(私が、積極的?というか、ご寵愛……陛下が、抱きかかえてって……それって、つまり、明け方陛下の部屋からってこと!?)

「どえぇぇぇえええええっ!?」
突如上がった妃の奇声に、侍女はほんの少し驚いた顔をしたが、すぐににこにこと微笑んだ。
ああ、我が主のなんと初々しく、お可愛らしいことか。
陛下のお目覚めに立ち会えず、こんなにも動揺なさるなんて。
「大丈夫ですわ、お妃さま。
お妃さまをこちらにお運びになったのは、お妃さまのお体を思ってこそ。
深いご寵愛の表れです。
さあ、ではまず湯殿になさいましょうか。
気分も落ち着かれますわ。」

真っ赤になったままふらふらと手を引かれ湯殿に辿り着いた夕鈴は、呆然と湯の中ににへたり込んだ。
(わ、私と陛下が……って、そんなの有り得ない!多分うっかり寝ちゃっただけだろうけどっ!
……けど……なんで、私陛下の部屋に……
それになんか、妙な夢を見たような……?)
霞む記憶をなんとか引っ張り出して、少しずつ整理していく。

(そう。
夢の中で、私はーー
へ、陛下に口付けしちゃったんだわ!!
しかもその後、大事そうに優しく抱きしめられて、とかっっ……
どれだけ!?どれだけ陛下のこと好きなのよ!!
これじゃまるで……欲求不満じゃないっっ!!)
バシャバシャ水音をたてながら頭をブンブン振り回す妃を心配した侍女が遠慮がちに声をかけてきて、なんとか夕鈴は動きを止めた。
「ごめんなさい、何でもないのっ。」
(あぁ……私ったら……
こんな夢見たってバレたら、陛下の傍にいられなくなっちゃう……)
夕鈴は真っ赤な顔をしたまま盛大に溜め息をついた。



どれだけ顔が赤かろうが悩ましかろうが、顔を合わせづらかろうが、夕鈴の仕事は『狼陛下唯一の寵妃を演じること』。
今日だけ夢見が悪かったから政務室には行けません、とは言えない。
真面目な夕鈴はぎくしゃくと体を強ばらせ、耳まで赤くしたまま扇で顔を隠していた。
(あぁ……後ろめたくて、陛下の顔がマトモに見られないっ!)
それに、なんだか今日は官吏の皆がちらちらこちらを見ている気がする。
まるで、不埒な夢を見透かされたかのようでますます居たたまれない。

一方の黎翔はと言うと、こちらもこちらで扇に顔を隠し続ける妃を気にしていた。
なるべく顔色を変えないように努めているものの、後ろめたいような気持ちがあるからか、その表情は見ようによっては少し冷たいようにも見受けられる。
その陛下の視線と妃の様子に、またしても年若い官吏は惑わされていた。
(今日は、お妃さまがあんなに赤くなられて……一体陛下は何をなされたのだろう?)
(恥ずかしさに震えるお妃さまを、あんな目で見つめられて……
これがウワサの視……っというものなのかっ!)
若さは時に素晴らしい想像力を発揮させるが、ここで使うべきではないだろう。
現に数名が前屈みのうさんくさい態勢になっている。

ちらちらと自分たちに向けられる好奇の視線に耐えかねて、黎翔は口を開いた。
「すまぬが我が妃よ。
少し喉が渇いた。四阿で茶の用意を。」
睨む李順を視線で黙らせ、努めて冷静に声を出す。
(夕鈴は、昨夜のことを覚えているんだろうか……
覚えていたとしたら、このまま私の傍に居てくれるのだろうか―――)
そう思うと居てもたっても居られなかった。
二人きりになって、昨夜のことを探ってみなくてはならない。
黎翔は人知れず、緊張に鼓動を逸らせた。

突然黎翔に声をかけられた夕鈴は、蚊の泣くような声で返事をすると可哀想なくらいに体をぎくしゃくさせながら政務室を出て行った。
四阿へ向かう足取りもとんでもなく重い。
(来たわ……陛下と二人きりになってしまう時間がっ!
私、ね、寝ぼけて陛下に何かしでかしたり……寝言で変なこと言ってたらどうしよう……)
想像しただけで倒れそうだ。
夕鈴は頭を抱えて廊下にしゃがみ込んだ。
どんな顔をして向き合えばいいのかわからない。

「貴女はここで何をしているんだ。」
しゃがんだまま悶絶する夕鈴の背後から、突如厳しい声が飛んだ。
「ほ、方淵殿……」
振り向いた視線の先では、なんだかいつもに増して不機嫌そうな方淵が夕鈴を見下ろしていた。
「陛下のご指示を遂行するのが貴女の役割であろう。
こんなところでしゃがみ込んでいないで、さっさと行けばいいものを。」
夕鈴はうっと呻いた。
確かに、方淵の言うとおりだ。
だが、そうできない事情と言うのがこちらにもある。
「ほっといて下さい。少ししたらすぐ向かいますから!」
方淵は明らかに苛ついた顔をした。
「……昨日の貴女もおかしかったが、今日の貴女もひと際見苦しい顔をしている。」
ばっさりと切って捨てるような方淵の言葉に、夕鈴は呆気にとられた。
「大体なんだ、扇に隠れてこそこそと。
陛下の妃としての自覚が足らんのだ!
昨日のあのふてぶてしさはどこへ置いてきた!?」
「ふて……って……」
方淵の剣幕に、夕鈴はもごもごと口ごもる。
「陛下の妃たるもの、真正面から向き合うのが礼儀だと思わんのか!」
ふん、と鼻で息を吐いて、方淵は妃から遠ざかった。

(やはり、勘違いだ。あの妃を美しいと思うなどと。
大体なんだあのおかしな表情は!!
陛下の寵妃たる自覚がないのか。)
胸の内で妃へ毒づいていると、書庫から出てきた水月と目が合った。
「またお妃さまとやりあっていたのかい?
こちらまで声が聞こえて来たよ。」
「あまりに腑抜けた態度でいるからだ。」
水月は興味深げにじっくりと方淵を見た。
「君……なんだか生き生きしてるねえ。
昨日はそれこそ君が腑抜けたみたいになってたけど。」
「何が言いたい?」
「……さあ。
それは君が自分で考えないといけないんじゃないかなあ。」
何故だか楽しそうな水月に本気で苛ついた方淵は、彼の整った顔を思い切り睨みつけてから政務室へと戻って行った。

夕鈴は方淵が去って行った方角を眺め、ぐっと口元を引き締めた。
悔しいが方淵の言うとおりだ。
恥ずかしいから陛下と顔を合わせられないで、一日中こそこそしている寵妃がどこにいる。
両手でぱんっと頬を叩き、気合を入れる。
「そうよ。私は陛下唯一の寵妃なんだから。行くわよ、汀 夕鈴!」
夕鈴はさながら戦場へ赴く戦士のような気迫で、四阿へと向かった。



後記。
若さあふれる政務室。
楽しそうです。

「視…って何?」
と思った純朴可憐なお嬢様。
今はそのままの貴女でいてください(^o^)丿
その清純さはプライスレス!
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狼な嫁と兎な陛下※臨時妃設定 | コメント:6 |
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コメント

あれ?
完全にいつもの夕鈴に戻っちゃったの?
いやん、残念
妖艶な夕鈴でもう少し陛下を突いて欲しかった←
お仕事、お疲れ様です。
残業しても終わらないのはガックリ来ますよねぇ。
2015-08-30 Sun 06:19 | URL | くみ [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-30 Sun 06:25 | | [ 編集 ]
あら~元通り(泣)(・_・、)でも、ここから陛下のペースで本領発揮!?2人でワタワタ!?どちらも何でも楽しみだけど…糖度プリーズ(笑)。
あらあら、リアのお忙しい事…(>_<)お体大切にゆっくり為さってね~←無理だよね(爆)保育園時代ってとかく時間に追われ、焦っていた様な気がする(笑)発表会とかカメラ撮影…めったに振り返らないのに本数溜まるし(笑)今ではデジカメすら持たずに行事に行く始末σ(^◇^;)いつかは終わるので(笑)とりあえず日々過ごしましょう(^-^)私は子ども達の送迎終了まで9年間掛かりましたがね(爆)
2015-08-30 Sun 08:40 | URL | 行 [ 編集 ]
くみ様。
私の残念な脳がこうさせました…(T^T)
いちゃつかせたいのに何故かわいくいちゃつかせられないのか!
仕方がないのでゲス話を書いてます←オイ

残業…コミックス発売日は絶対早く帰る!と決めて頑張りますっ
2015-09-01 Tue 08:18 | URL | rejea [ 編集 ]
あい様。
旦那様の早朝出勤に付き合って差し上げる優しさが眩しいです!
我が家の朝は完全セルフサービス、つまり放置ですので(笑)

視KANて!(*´▽`*)
アルファベットに奥ゆかしい大和撫子の配慮を感じます。
2015-09-01 Tue 08:25 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
30過ぎて毎日のように会社から駅まで走ってると疲労が溜まって溜まって(笑)
迎えがギリギリ過ぎて保育園にも目をつけられ始めてます(゚Д゚;)ヤバい
9年……そうですよね、先はまだ長いなぁ(T_T)

糖度、どうやったら出せるのか悩んで諦めて(諦め早い)ゲスい方向へ行き始めました。
次の話の後くらいになりそうですが、ひっさびさのR18をお届けできたら…と計画中です~
2015-09-01 Tue 08:32 | URL | rejea [ 編集 ]

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