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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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狼な嫁と兎な陛下 6

悩んだまま数日が経過……
どこまで迫るのか?どこまで行くのか?
教えて、ゆーりん。

夕鈴が寝台で軽く迫ってはいますので、苦手な方はスルーなさって下さい。










その日の深更。
黎翔は自室で一人酒を含んでいた。
夕鈴は後宮で待っていると言っていたが、どうも今日は調子がおかしい。
彼女を見るだけで動悸が止まらないし、顔が熱くなって、自分ではどうしようもないのだ。
この状態で夜着を身に付けた夕鈴と二人きりなど、どうなってしまうか見当もつかない。

(普段だったら、そんなに動揺なんてしないんだが。
珍しく夕鈴が積極的に近付いてくれているのに……)
不甲斐ない自分への苛立ちを宥めるように酒を流し込む黎翔の耳に、天井裏から隠密の声が降ってきた。
「よっ、陛下。来ちゃったよ?愛しのお妃ちゃん!」
浩大の声はどこか楽しそうに笑いを含んでいる。
「なっ!?夕鈴を止めろ、浩大!」
慌てる黎翔を天井裏から眺めた浩大は、その顔が一瞬で赤くなったのを見届けて必死に笑い声をかみ殺した。
「いやー、侍女と一緒にこっち向かってるし、ムリ。オレむやみに顔出したくないしー。
もうそろそろ着くだろうから、後はごゆっくり!じゃーな、陛下!」

黎翔が生意気な隠密を引き留めようと腰を上げた瞬間、妃の訪問を告げる声がかかった。
「陛下、入ってもよろしいですか?」
ここまで来てしまったら断るわけにはいかない。
二人は『仲のよい夫婦』なのだから。
黎翔は覚悟を決めて夕鈴を呼び入れた。

部屋へ入るなり、今日の夕鈴は自ら侍女に下がるよう目で促した。
常に無い積極的な妃の様子に、侍女たちは内心色めき立った。
(恥ずかしがり屋のお妃さまが、お珍しい!)
(後宮でも陛下を待ちわびていらっしゃいましたもの!)
優秀な侍女は声に出さずとも意志疎通が図れるようで。
黎翔の返事を待たずしてするすると音も立てずに退出していった。

退出前にいつも通り、しっかりと身体を浄めるための湯桶と白布を置いていくあたり、さすがはプロフェッショナルである。
普段だったら意識せずにいるその湯桶も、今は恨めしい。
黎翔は額に手を当てて一つ息を吐いた。

(落ち着け、黎翔。相手は夕鈴だ。
今日の私達は確かにおかしいが、それにしたって湯桶を使うような事態になるはずがないだろう。)

軽く頭を降って気を落ち着けてから、黎翔はにっこりと笑って夕鈴に相対した。
「ごめんね、待っててくれたのに。なかなか仕事が終わらなくて……」
言い終わらぬうちに、とすっと夕鈴は黎翔の胸へ飛び込んだ。
「へいかのばか。私、ずっとお待ちしてたんですよ?」
上目遣いで見上げつつ、夕鈴はのの字を書くように黎翔の胸に指を押し当てている。
細いしなやかな指が踊るように動く様を、黎翔は信じられないものでも見るかのように眺めた。
「ゆ、夕鈴、今日は本当に積極的だね……」
「何ででしょうか。陛下に触れたくてたまらなくて―――」
夕鈴は黎翔の引き締まった胸板へ頭を預けた。
「幸せです、陛下。」
ふふ、と笑う夕鈴があまりにも可愛くて、黎翔は身動き一つ取れずに突っ立ったままでいる。
返事もせず真っ赤になって固まっている黎翔に、夕鈴は心配そうに問いかけた。
「陛下、大丈夫ですか?今日は色々ありましたし、本当にお疲れなんですね。
寝台へ参りましょう?」
「えっ!?ちょっ、ちょっと待って……!!」
ぐいぐいと抱きつくように押されて思わず後ずさった黎翔は、寝台へと仰向けで倒れ込んだ。


「夕鈴……さすがに夜着だけ身に付けた状態で男にのし掛かるのは、どうかと思うよ……?」
黎翔は自分の上でにこにこと微笑む妃に困ったように申し入れた。
「どうして?陛下は私の夫なのに。おかしくなんてないでしょう?」
愛しげに黎翔を見つめた夕鈴の目が、ふいに切なげに歪んだ。
「陛下。今だけ。……今だけですから。」
胸元に当てられていた手が外れて、代わりに柔らかく暖かな身体が黎翔に被さってきた。
胸板に押し付けられたら柔らかな双丘の感触と、袷から覗く緩やかな白い谷間に、黎翔は息を詰めた。
「本当はずっとこうしたかった。
だけど、私はバイトですから……」
艶やかな唇が囁くように言葉を紡ぐ。
「ぎゅって、してください。陛下。」
「ゆう、りん……」 
黎翔は腕を回し、震える指先で細い背中に触れた。
その間も夕鈴のどこまでも柔らかい熱と鼓動が直接黎翔の胸に伝わってくる。

「……夕鈴、やっぱり駄目だ。
僕だって男だから、君にそんな風にされたら……抑えが効かなくなる。」
「どうして?私、陛下がお望みなら何だって我慢出来ますよ?」
黎翔の視界に先程の湯桶が目に入る。
(だっ……駄目だ!何を考えてるんだ、私は!)
黎翔はこれ以上ないほど真っ赤になりつつ、断腸の思いで夕鈴を引き剥がした。
「陛下……」
夕鈴の目が悲しげに潤む。
「ご迷惑、でしたね。ごめんなさい。」
「いや、迷惑なんかじゃ……ただこのままじゃ、僕は君に酷いことをしてしまう。」
黎翔は夕鈴の目に浮かぶ涙を見ないよう、視線を逸らした。
「陛下は、やっぱり優しいんですね。」
夕鈴はそっと黎翔の頬に手を添えた。
「最後に、これだけ。……許して下さいね。」

怪訝そうに夕鈴を見上げた黎翔の唇に、それは降って来た。

甘く、芳しいひとひらの花弁。
薄桃色に色づいた、温かな―――

「むっ……」
それが夕鈴の唇だと理解するのに、ほんの一瞬時間がかかった。
まさか、彼女から口づけを受ける時が来るなどと思ってもみなかったから。
(夕鈴……)
黎翔は夕鈴の華奢な背に腕を回し、きつく抱き締めた。

どうか、もう少しだけこのままで。
二人は、甘い目眩に包まれながら、意識を手放した。




後記。
じれじれ、ですね。
じれじれじれじれ。

据え膳を食わない陛下の紳士っぷりが悲しいような、それが臨時の醍醐味なような(T_T)
湯桶まであるのに。。。
せっかくなんで、この後一人でお使い下さい、陛下!
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狼な嫁と兎な陛下※臨時妃設定 | コメント:8 |
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-22 Sat 04:12 | | [ 編集 ]
陛下…へたれ~(>_<)何だ!?生息子か!(笑)
鉄壁の理性…その後、湯桶を使う事態になるのかな~( ̄∇ ̄)無駄に放っては行けませーん!!大事な子種の無駄遣い(笑)←ヤメロ!!
おっといけない臨時設定デシタナww
2015-08-22 Sat 05:42 | URL | 行 [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-22 Sat 06:13 | | [ 編集 ]
よいではないか、よいではないか。
このまま、二人で熱い夜を!といえないのか?陛下!
あっ、いえ、失礼致しました。
2015-08-22 Sat 06:20 | URL | くみ [ 編集 ]
あい様。
お休みになれましたか?
因みにうちのは朝帰りでしたよ。
おかげでif~が仕上がりました(笑)

今日も夫は留守なので、湯桶使う機会をもんもんと考えてます(`・ω・´)

2015-08-22 Sat 23:50 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
そうなんですっ!ヘタレなんですよ!
臨時設定かつ兎な陛下=ヘタレ!!
全然キーボード打つ指が進みませんでした……←オイ

今ですね、湯桶ルート考えてます。
ストーリー上有っても無くてもいい、ややエロいヤツを!
2015-08-22 Sat 23:55 | URL | rejea [ 編集 ]
タイフーン様。
はじめまして!
コメント頂きありがとうございます(*^_^*)
そして前からお越し頂いてるとのこと、嬉しいです!

私も最近夕鈴が好きすぎてしょうがないです(*´▽`*)
陛下×夕鈴サイコー♪なんですが、夕鈴が気付かないところでモテモテ、というのも大好きです。

よろしければまたお寄り下さいませ!
2015-08-23 Sun 00:00 | URL | rejea [ 編集 ]
くみ様。
ですよねぇ?
思いますよね?もっと行っとかんかい!……と。
それで一週間もんもんと悩んじゃいました。
せっかく湯桶まで用意したってのに!

なので湯桶使用のゲスい夜戦ルートを書こうかなと(*゚▽゚)ノ
私が書くやつなんで、ヌルいとは思いますが。
2015-08-23 Sun 00:04 | URL | rejea [ 編集 ]

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