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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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狼な嫁と兎な陛下 4

入れ替わり迷惑二次、第四話です。

あれ?着替えは!?お風呂は!?
と思ったお嬢様、最初に謝ります。
すいません!!
書けませんでしたぁぁぁ……
本誌の陛下が紳士だからぁぁぁぁ……
まさかあそこまで我慢強い方だったとは思いませんでした。


でも、ちょっと新展開というか、最初からこれを書きたかったっていう所までようやく辿りつけそうです。






「全く、あの眼鏡の小僧が余計な事ばっかり言うから、こんな事態になるんじゃ。
欲しけりゃさっさと手を出せば良いものを、魂が迷いでるほど悩んでどうするんじゃ!」
国王の自室の前で、張元は盛大にぼやいた。
「じーちゃん、なにかっつーと二人のことせっついてるもんな。
そんなに後宮賑わしたい?」
「当たり前じゃ。ワシは後宮管理人じゃぞ。陛下の心をお慰めするのが仕事じゃ。
あの娘にはもっとガッといってもらいたいのぅ。あー焦れったい!」
忌々しげに床を踏む張元に、浩大は苦笑する。
「じーちゃんはお妃ちゃんのこと気に入ってるもんな。
……でもそれ、陛下が望んでなかったらどうすんの?」
張元は呆れたようにふん、と鼻から息を吐いた。
「アホかお主は。何が本当の望みかなんぞ、年寄りから見れば一発でわかるわ。
陛下も、あの娘もな。
……若さというのは眩しいが、時に若さゆえの生真面目さというのも、もどかしいの。
もうちっと適当に、自分の望みに忠実になってもいいんじゃよ。
王とはいえ、一人の人であることに変わりないんじゃから。」

何を思ったのか、穏やかに語っていた張元の顔つきがまたしても嶮しく変わる。
「それをあの眼鏡小僧めが!
やれ庶民は妃にふさわしくないだの、しかる後にきちんとした妃をだの、やかましいんじゃ!!
そんなもん、後でどうにでもすればいいというに。」
「まぁ、お堅い側近からしたら、そういう意見になるんじゃないの?
陛下の治世をより長く続ける為には、サ。」
「だーから、あやつは小僧じゃと言うとるんじゃ!
義務だけで座り続ける玉座に何の意味がある!
そこに何の喜びがある!?
あの方は幼い頃追われるように王宮を去り、そしてまた多くの者に望まれずここへ戻って来た。
このままでは早々に王の位なぞ捨てるやもしれん。
それどころか下手したら何もかも諦めて、棄てる。己自身をですら、じゃ。
……じゃからワシは、掃除娘にこそ陛下の傍に仕えて、支えて欲しいと思っとる。
陛下が、王としてではなく一人の男として望んだ、ただ一人の娘だからの。」

いつもは明るい張元の目が暗く陰った。
「陛下の父上も、一人の男として舞姫様を望まれた。
じゃがワシは好きな者と共に居たいというそのささやかな願いも、舞姫様も、幼き陛下も守れんかった。
せいぜい命の危険が無いよう、他の妃達にばれないよう、女官どもに加減させるのが関の山じゃった。
そして結局、お二人がここを出て行くことをお止めすることも出来なかった。
……ここにおった方が、お二人にとって辛かろうと思うたからの。
陛下は舞姫様亡き後、そのような場所へ一人戻られたのだ。
じゃから、せめて心休まる相手と共におられるよう、心を砕くしかなかろう。」

遠くを見詰め語る張元に、浩大はどこか昏い笑いを浮かべて問う。
「ふーん?それってお妃ちゃんをダシにしたじーちゃん自身の罪滅ぼしってわけ?」
瞬間、張元の顔つきが変わった。
それは普段見せることのない、激しくも厳しいものだった。
「―――見くびるなよ小僧。
老い先短い我が身の保身の為に善良な小娘を後宮へ引き入れるほど、ワシは落ちぶれとらん。
その結果何か起きれば、ワシはこの皺腹かっさばく覚悟よ。
そうでなくて後宮管理人なぞ務まると思うてか。」
張元の射抜くような視線を受けて、浩大はニッと、今度は嬉しげに笑った。
「じーちゃんはじーちゃんで色々考えてんだな。ダテに歳くってねーわ。」
「あったり前じゃろがい。あまり年寄りを舐めるでないぞ。」
ふふんっと笑った張元は、ふと気遣わしげに王の自室に視線をやった。
「……まずはなんとか戻れるといいんじゃがのう。このままでは閨なんぞ、夢のまた夢じゃ。」


その時、重い扉が内から開かれ、『夕鈴』が姿を現した。
……どっちだ。
浩大と張元は息を飲んで彼女を見詰めた。
「老師、浩大。」
どっちだ!?
「私、お花を摘みに行ってきますっ……!!」

「戻ったああああ!!」
廊下を脱兎の如く駆けていく妃を見送って、二人は手のひらを打ち合わせた。
「いやはや、よかったのう。これで一安心じゃ。」
「結構あっさり戻ったなー。陛下はどうしたかな。」
部屋へと戻ると、黎翔が額に手を当て、ぼんやりと椅子へ座っていた。
「陛下、戻れてよかったねー。いや、せめて着替えは見たかった?」
にやりとしながら声をかける浩大に、黎翔は不機嫌そうに応える。
「馬鹿なことを言うな。ヘタしたらまた避けられるのは分かっている。」
「まあ、そうだろーね。」
「陛下、お体の具合はいかがですかの?どこか違和感などございますか?」
張元の問いに黎翔はふるふると頭を振った。
「いや、大丈夫だ。少しぼうっとするが……」
「お体から魂が離れとったんじゃ。多少はそういうものなのかもしれませんのう。」
興味深げにしげしげと、張元は黎翔の顔を覗き込んだ。
「顔色も悪くないし、瞳も正常。問題は無さそうですの。ようございましたな。
これで普通に閨に励んでもらえるというものじゃ!」
いつもの張元の軽口に、黎翔は耳まで真っ赤にした。

(アレ……?陛下?)
浩大がどうかしたのかと口を開きかけたとき、夕鈴が戻って来た。
「失礼しました……あら?陛下、どうなさいました?」
真っ赤な顔の黎翔に気付くとぱたぱたと駆け寄って、両手でそっと顔を挟んだ。
「お顔が真っ赤ですよ?熱が出ちゃったんでしょうか。
愛しい陛下に何かあったら、私は生きてなどいけません。
せっかく元の体に戻って貴方に思う存分触れることが出来るというのに……」
うるうると艶を帯びた鳶色の瞳が、極々近い距離でじっと黎翔を見詰める。
「こんなに赤くなって。まるで夕焼けに照らされたみたい……
夜空みたいに美しい髪に映えて、すごくキレイ。」
そう呟きながら夕鈴の手は真っ赤になった黎翔の頬をさわさわと撫で回している。

「……ちょっと、じーちゃん。これさっきまでと変わってなくね?
ホントに戻ってんのか?」
浩大は目を見開いて先ほどまでとあまり変わり映えの無い、『色っぽく迫るお妃ちゃん』と『真っ赤になって戸惑う狼』をまじまじと見詰めた。
「ふーむ……どうやらこりゃ、魂が混じり合ってしもうたようじゃ。
陛下、本当はちらっと掃除娘の体から離れるのが名残惜しいとか思われませなんだか?」
「お、思ってないっ!思ってないよ、夕鈴!」
張元の疑わしげな視線を浴びて真っ赤になった黎翔を見て、夕鈴はふわりと笑った。
「そんなに私の体が名残惜しかったんですか?
陛下がお望みなら……もっと触れていただいていいんですよ?」
「ひっ、人前で何言ってるの夕鈴っ!」
「ふふ。何って、いつもの夫婦演技ですよ。それとも陛下ったら、二人っきりの時の方がよかったんですか?」
いたずらっぽく下から覗き込むような潤んだ瞳に、黎翔は身動き一つ出来ずに固まった。

「これ、完全に普段と逆じゃん。いやー面白いことになったな、じーちゃん!」
「これは上手くすれば既成事実げっとじゃぞ、小僧!」
外野の二人は大いに盛り上がった。
二人がきゃっきゃとはしゃいでいる間も、夕鈴は固まる黎翔の手を握り、指先で愛おしげに撫でながら秋波を送り続けている。
「だっ、駄目だよ、夕鈴。嫁入り前の女の子がそんなに男に触れるなんて……」
「嫁入り前って、私は陛下のお嫁さんなのに……
そんなに私に触れられるの……お嫌ですか?」
しゅん、と幻の兎耳を垂れさせた夕鈴に、黎翔はうっと呻いた。
「嫌じゃないよ?でも、その、どきどきしちゃうから!」
「嫌じゃないんですね!よかったぁ!
じゃあ元に戻ったことですし、今日も政務室まで一緒に参りましょう?
仲良し夫婦ですから。」
にこーっと嬉しげに笑う夕鈴。
(だっ、駄目だ……可愛すぎて断れない……)
「わ、分かったよ……
そこ二人、笑うな!」
黎翔は笑いを抑えきれないでいる浩大と張元を怒鳴りつけたが、ぼふぼふと湯気を上げたままでは威厳など出るはずもない。
「いや、仲の良さをアピールするいい機会じゃないっすか、陛下。
普段お妃ちゃん恥ずかしがってなかなかあっちから来ないんだから。」
「そうじゃそうじゃ。国王たるもの、恥ずかしがっとらんとどーんと構えておられなされ!」

黎翔は頭を抱えた。
こんなに可愛いお嫁さんから迫られて、冷静に構えるなんてできるのだろうか。
はっきり言って、全く自信はない。
でも、こんなに嬉しげににこにこと側に居たいと言われたら断れない。
「夕鈴、お手柔らかにね?」
溜め息混じりの黎翔に、夕鈴は嫣然と微笑んだ。
「もちろん、陛下のお望みのままに。」



後記。
つまり肉食夕鈴が書きたかったんです!

老師と浩大の会話は二人っきりでマジ話してたらかっこいいかなーと思ったので。
爺さんキャラが「皺腹かっさばく覚悟」って言ってるの、好きなんです…


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狼な嫁と兎な陛下※臨時妃設定 | コメント:9 |
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-06 Thu 21:59 | | [ 編集 ]
肉食夕鈴最高(*^▽^*)!!!魂が混じるってどんだけ名残惜しかったのよ~お二人さん( ̄∇ ̄)
外野の二人も面白いやり取りです事(笑)
やっとラジオ体操当番終わりました~(≧▽≦)疲れた~(爆)でも、部活弁当作りは続くんですよ…(泣)早く二学期開始しろや(怒)ってか来週は家族皆が休みに入るので、主婦は今より忙しい…(泣)まさか休みに主婦業サボる訳にもイきませんし…苦手ナンだよね~主婦業と母業σ(^◇^;)
2015-08-07 Fri 11:06 | URL | 行 [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-08 Sat 10:09 | | [ 編集 ]
あい様。
このどシリアス→おふざけ展開、何かに似てると思ったら。
仕事中→飲み会での自分のキャラに酷似してました…
「こんなふざけた人だったんですね」「もっとマジメな人だと思ってたのに」
とよく言われます(*゚▽゚)ノ
なんでガッカリされるのか(笑)

根がふざけてるのでついついギャグっぽくなってしまいます。
2015-08-08 Sat 11:28 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
本音は着替えを見たかったり柔らかそうなところを触ってみたりしたかったんじゃないかとついつい……
陛下はどこまで紳士なのか爛れた私にはよく分かりません(^-^;
ついついララデラ買ってしまいそう…

夏休みとかもやう想像しただけで大変そうですね…
お弁当なんてムリだぁ(T^T)おかず思いつかない←ひどっ
母業も主婦業も本当に私向いてません。仕事中のが楽かも…

我が家は私だけお盆休み無しなので、普段不在の夫に子供を託せる珍しいチャンス到来!
飲み会行こう♪とワクワクしてます(笑)
2015-08-08 Sat 11:37 | URL | rejea [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-08-08 Sat 20:23 | | [ 編集 ]
rejea様…絶対、仕事してる方が楽デスヨネ!?そうですよね~( ̄∇ ̄)良かった♡仲間♡
弁当はね~慣れます(笑)保育園当時はたまにしか作らないから慣れないし、ちっこい中に入れるの大変だし(泣)しかも下の娘の時なんて可愛くして…とか言われたんですよ!?←ソッコー無理!!って言いました(笑)。
今では、丼ものや冷やし中華とか弁当に持たせられる程の強者母さんです(^-^)←男子限定!!
2015-08-08 Sat 22:42 | URL | 行 [ 編集 ]
あい様。
ふああ!早い!!
既にコメントありがとうございます!!
リクもちろん受付させて頂きます♪
い、今から御礼記事あげます!間に合わなかったけど…

あい様のお話を読むと克右イラスト描きたくてしょうがなくなります(笑)
2015-08-09 Sun 01:14 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
一回だけキャラ弁作ってものすごく後悔しました(T_T)
のり切るのめっちゃ大変!
もうやらないと誓ったんですが、次を期待されて困る…

冷やし中華や丼もの弁当!!
年に2回の弁当作りでひいひい言ってる最低ランク主婦の私から見たらもはや仙人レベルです!
毎日とかもう、考えただけで泣けます…
本当、仕事してる方が私としては楽です。
毎日ちゃんとしてる主婦の方はすごいです。
2015-08-09 Sun 01:21 | URL | rejea [ 編集 ]

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