星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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簪の贈り物 5

ほのぼの系に挑んだ前回。
志を捨てずに甘あまを…と思ったら、朝チュンになってしまいました。


大したことないですが、やや大人風味です。
苦手な方はスルーなさって下さい。









穏やかな春の日差しが、妃の寝所へ差し込む。
先に目覚めた黎翔は愛しい妃のあどけない寝顔を見詰めていた。
いつも早起きの夕鈴なのだが、今日は昨夜の心地好い疲れにまだ、その身を任せている。

朝の光に照り映える桃色の頬。
薄く微笑んだ花びらのような唇。
そこから続く華奢な首筋と鎖骨。
そして白くすべらかな胸地。

昨夜、いつもより少しだけ大胆に求めに応じてくれた夕鈴の姿を思い出して、黎翔は人知れず頬を染めた。
小犬のまま甘える閨もかなり……いや、とってもいいものだった。

昨夜の夕鈴の声と、夜目にも白く浮かぶしなやかな肢体が、なまめかしく脳裏に蘇る。
熱を孕んで潤んだ瞳が自分をうっとりと見下ろす様を見て、結局は我慢できずに襲いかかってしまったのだけれど。
それでも夕鈴は、黎翔の内を巡る熱をその細い体でしっかりと受け止めてくれた。

怖いくらいに幸せで。
愛しくて愛しくて、堪らない。
自分には決して手に入らないと思っていた毎日―――
黎翔は目の前にいる妃の存在を確かめるように、そっと手を伸ばした。

「ん……くすぐったい。」
逃れようとする妃を、黎翔はその長い腕で抱え込む。
「おはよう、夕鈴。」
「あ……おはようございます、陛下……って、どこを触ってるんですか!」
「昨夜の君を思い出したら、触れずに居られなかった。」
言いながら、手を頬へと添えて口づける。
夕鈴の唇を甘く噛んだまま、黎翔は囁いた。
「きれいで、すごく色っぽくて……何度でも君に触れたい。」

静かな、けれど確かな熱の籠もった口づけに捕らわれた夕鈴も、昨夜の黎翔を思い出す。
美しい眉をひそめ、その形の良い唇から熱い吐息を零し自らを見上げる黎翔。
思い出すだけで胸が苦しくなるほど愛おしかった。

だがそれと同時に恥ずかしさも込み上げて、夕鈴は夫の胸へ真っ赤に染まった顔を埋めた。
「今日は掛布に隠れないでいてくれるんだね。」
くすりと笑って黎翔が言う。
髪の隙間から覗く耳も真っ赤だけれど、夕鈴はぴたりと身を寄せたままでいる。
「だって……昨夜の陛下は優しかったから。
それに、甘えてくれて嬉しかったんです。本当の夫婦なんだって思えて。」
恥ずかしそうな小さな声が黎翔の胸元に直接響く。
温かい呼気が肌をくすぐり、黎翔は思わず妃を抱きしめた。
「……ゆうりんって本当にかわいい。」
今日は政務なんて放り出して、このまま二人でまどろんでいたい―――
そう思った黎翔とはうらはらに、夕鈴はこうも続けた。

「それに、陛下は五日間ちゃんと政務に励んでらしたからそれも嬉しくて。
その……お仕事頑張ってる陛下はかっこいい、です。」

「夕鈴って、時々ひどいよね……」
褒めたのになぜかしょんぼりしてしまった黎翔を見て、夕鈴は何故なんだろうとちょっと焦っていた。
(だって、陛下ってやっぱりかっこいいんだもの。
昨夜は、ちょっと、かなり、すっごく、かわいかったけど……)
「あの……甘えてくれる、かわいい陛下も好きですよ?」
黎翔の夜着の襟もとをきゅっと掴んで、夕鈴は言う。
小犬のふりをした狼の瞳がきらりと光ったのに、恥ずかしそうに俯いている夕鈴はもちろん気付かない。

「じゃあ、夕鈴……
今日もちゃんと仕事早く終わらせて帰ってきたら、一緒にお風呂入ってくれる?
僕、お嫁さんと背中の流しっことかしてみたいなぁ。」
「へっ!?お、お風呂ですか!?」
「普通の新婚夫婦だったら、よくやることなんじゃない?
夕鈴が背中流してくれたら、仕事疲れなんて吹っ飛んじゃうと思うんだ。」
にこにこと自分の腰に手を回したままで笑う黎翔の発言に、夕鈴は逡巡した。
(くっ……かわいい。かわいすぎるわ、陛下ってば!
は、恥ずかしいけど……疲れが吹っ飛ぶっていうならいいのかな……一枚羽織ってれば見えないし……)
「へ、変なことしないならいいですよ。」

黎翔はすっと目を細めて夕鈴を見詰めた。
楽しげに、妖しく。
黎翔は夕鈴の耳元で囁いた。
「変なことって、なに?夕鈴。
何を考えたのか、君のその艶めいた唇から聞きたいな。」
耳にそっと吐息をかけられて、夕鈴はびくりと竦んだ。
「だっだから、こういう、ことです!」
「私は愛しい君に愛を囁くことも許されないのか?
ひどい妃だな。」
言いながら黎翔は赤い舌でぺろりと妃の耳を舐め上げる。
「やっ……もう、止めてください!」
背中をぞくぞくと這いあがる感覚に夕鈴は身を捩った。
このままでは流されてしまう。
「今日も、瑠霞姫たちとお茶会がありますので、そろそろ起きなくちゃっ……」
首筋へと舌を進めようとしていた黎翔は、初々しい妻の可愛い抵抗に笑みを深めてもう一度細い体をぎゅっと抱きしめた。
「政務室に来れないなら、やっぱり早く帰ってきて背中流して貰おうかな?
よーし、僕頑張って絶対早く帰ってくるから。
先にお風呂入らないで待っててね、夕鈴!」

ちゅっと音を立てて口づけた黎翔は、駆ける様な足取りで妃の寝所から出て行った。
後に残された夕鈴は茫然と夫を見送り、ぱたりと寝台へ倒れた。

―――どうしよう。今だってこれ以上無いくらい好きなのに。
毎日、毎晩、怖いくらいにどんどん好きになっていく。

子供みたいにやきもちを妬くところも、甘く低く耳元で囁く声も。
強請るように切なく見上げてくる顔も、本能のままに自分を求める獣のような荒々しさも。

黎翔の全てが愛おしくて、きっと自分は今夜も流されてしまうのだろう。


夕鈴は寝台の横にそっと置かれた二つの簪を手に取り、柔らかく胸に抱いた。






後期。
夕鈴は何をしてくれたんでしょうね、陛下。
そんなことうっかり聞いたらブリザード浴びせられるんでしょうか。

次で簪編は終了の予定です。


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毒花※蘭瑤・瑠霞メイン | コメント:6 |
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コメント

ブリザード浴びせられても聞きたいよ!お嫁さんはどうしてドコまでしてくれたの?陛下!!
上ナノは間違いないかと…←恥も外聞も御座いませんわ(爆)そして、夜は湯殿で♡(〃▽〃)
ブラックとeroは大好物!下素ですみません>_<。
2015-07-08 Wed 21:54 | URL | 行 [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-07-08 Wed 22:42 | | [ 編集 ]
あれ?
いつの間に朝に?(笑)
夜は?ありり?←
うふふ、素敵な夜をお過ごしになったのですね。
仕方ありませぬ、脳内補完いたしまする。

さて、今日はどんな風に毒花'sにいじられるのやら(o^^o)
2015-07-08 Wed 22:53 | URL | くみ [ 編集 ]
行様。
上だったことは間違いないです!
10代の頃読んだ「影武者 徳川家康」っていう漫画に『将軍の上に乗るなど普通の閨では有り得ない。恋人同士の閨なのだ』的な描写があって。
じゃあ夕鈴もそーするしかないと!
どこまで頑張ったかはお好み次第で…
2015-07-10 Fri 08:08 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
あい様。
狼とお風呂何なんて危険しかありませんね(*´▽`*)
頑張れお妃さま!
透けた肌を隠すんだ!←余計かわいくなります

ブラック妄想いいですね~。
いちゃいちゃしてばっかで、最近ブラックが足らないです。
ブラックは書くとき私も時間かかります。
でも楽しい!

今は頭の中が克右さんで一杯です。間違えた方向に暴走したので大したことないものの、パス付にする予定です…
2015-07-10 Fri 08:15 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
くみ様。
なんか、本当にご夫婦の閨が苦手でして…
書こうとすると「あれ、これどこかで読ませて頂いた内容と被ってる!」とか「言葉遣いパクってない?」とか…
想像力と描写力が足らないので書けない→仕方ない。もやっとした朝チュンだ!
となりました
そんなわけで素敵な閨はくみ様の妄想にかかっております!
2015-07-10 Fri 08:21 | URL | rejea [ 編集 ]

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