星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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嵐の去った後は

蘭瑤様メインの「嵐呼ぶ、花々の茶会」の裏話です。
コメントにて天啓が舞い降りましたので、苦手意識を克服するためにもチャレンジします!
ご夫婦いちゃいちゃ。
年齢制限は不要な気がします。私の書くものですし。たぶん。
色気の足りない部分はお読みいただいた方の想像力で補って下さい(T_T)
まさに他力本願!!
苦手なので勢いだけで書き殴っちゃいます。




今日も政務室で大量の書類を捌く黎翔は、常にも増して不機嫌だった。
またあの煩い叔母が来訪しているおかげで外交方面の書簡は増えるし、使者との謁見はこなさなければならないし。
愛しい妃と睦み合う時間がこれでまた減ってしまう。
さらに彼を不機嫌にさせているのは、その愛しい妃が何とその叔母と毒花を一度に招いた茶会を主催しているからだ。
一人でもそれぞれがかなり厄介な存在をまとめて相手にしている夕鈴が心配で堪らない。
なぜこんなにもあの娘はこちらの心臓を逸らせることばかりするのだろうか。
「このような陳情が通ると思うか。ふざけるのも大概にしろ。次!」
八つ当たりともとれる厳しい采配に、政務室は季節外れの真冬の嵐が訪れたようだった。
その時、政務室の外がきらりと光った。
李順がさりげなく近づくと、屋根の上に浩大の配下の隠密が一切れの紙を手に控えていた。
「陛下へ、浩大様より。」
ごく小さな声と共に李順のもとへ降りてきたその紙には、浩大の字でこう書かれていた。

―――お妃ちゃんがガチ花二人に遊ばれてる。
なるべく早く仕事を終わらせることをお勧めします。―――

李順は溜息を吐きつつ、黎翔にのみその紙を見えるように持ちつつ耳打ちした。
「陛下。書簡は残り、17箱です。それさえ終わらせて頂ければ即夕鈴殿のもとへ行って頂いて構いません。
さらには引き継ぎさえきちんとやって頂ければ明日の予定は半日なしに致しましょう。さぁ、筆を執って下さい。」
「本当だな、李順。ならさっさと次の書簡を持ってこい。」
さらに極寒の吹雪と化した政務室。
官吏たちの声なき悲鳴は幻の吹雪にかき消されて行った。


夕鈴は、やっと瑠霞と蘭瑤から解放され、自室の長椅子に凭れかかって一人放心していた。
あの勢いはすごかった。
あの迫力を前にしては断る暇は勿論、口を挟むことすらできなかった。
以前瑠霞に蒼玉国の衣装を着せてもらった時も陛下はあまり良い顔をなさらなかったのに。
今回も陛下はこの姿を見て、溜息を吐かれるのだろうか。
前のものよりもより唯一の花にふさわしく、と二人はかなり気を入れて衣装から髪型から、果ては紅の一つに至るまで、本当に細かく気を配ってくれたが。
「……そもそもこんなの、私が着てても仕方ないんじゃないかな。」
上等の絹と紗で織り上げられた衣を恐る恐る指で触る。こんな手触りは下町で感じたことなんてなかった。
この美しい衣装も、侍女が数人がかりで結い上げてくれた髪も、涼やかな音を立てる装身具も全て。
本来なら瑠霞や蘭瑤のように美しい妃にこそ与えられるべきものなのに。
瑠霞も蘭瑤も晏流公も手放しで誉めてくれたけれど、そんなのは社交辞令というものだろう。
「お二人には申し訳ないけど、やっぱり着替えさせて貰おう……」
政務で疲れているところに、あえてこんな似合わない姿を見せて困った顔をさせたくない。
夕鈴は少しだけ涙で潤んだ瞳を窓の外へ向けた。
未だ日は落ち切っていない。陛下のお渡りには十分時間があるはずだ。
夕鈴は羽織った薄紫の紗を肩からそっと下ろした。


黎翔は慣れ親しんだ妃の部屋の中の非日常的な光景に思わず息を飲んだ。
薄闇の窓の前に、天女が立っている。
肩に掛けられていた紗の布がするりと肌の上を滑り落ち、華奢な肩と背中が露わになる。
「ゆう、りん……?」
思わず零れ出た声に驚いて、天女が振り返った。
「えっ…陛下?嘘、どうして……」
「君があの二人に遊ばれていると聞いて、急いで帰って来た。夕鈴その格好は……」
ゆっくりと夕鈴に向かって近づく。
いつもは桃色や淡い紅色の衣装を好んで着ているが、彼女の体にぴったりと沿う絹の衣装は澄んだ空の色だった。
その絹の衣の上には胸のあたりからさらに薄水色の紗が二重に重なるよう縫われており、彼女の柔らかい胸をふわりと覆っている。
空色の絹は足もとが開くように仕立てられ、歩く度に薄水色の紗の布越しに彼女の白い足が垣間見えた。
「あっ……あの、瑠霞姫と蘭瑤様のお二人が見立てて下さったんです。」
顔を赤く染めた夕鈴が俯いて答える。
その様子を見た黎翔はこの装いの威力を思い知った。
絹の煌めきとその薄い青は、夕鈴の白い肌が赤く染まる様を実に美しく浮かび上がらせた。
化粧もごく薄く仕立てられており、彼女の頬が染まる様がよく見える。ただ、眦には薄く紅を乗せてあり、俯いた視線がなんとも色っぽい。
それに、この唇―――
「夕鈴、その紅は?いつものものと違うみたいだ。」
「あ、これは蒼玉国で今流行っている最新のものだそうです。蜂蜜に紅花から採った色を混ぜてあるのだとか。」
淡く紅い、つやつやとした唇が艶めかしい。
悔しいが、これは認めざるを得ない。さすがは後宮を知り尽くした女狐どもだ。
黎翔はゆっくりと夕鈴に近づいて、舌先でそっとその唇を舐めた。
「―――本当だ。甘い。」
「っ!!」
夕鈴は首筋まで赤く染めた。桃色と空色の対比が黎翔の目を奪う。
今すぐ食べてしまいたくなるほど綺麗だが、これがあの二人の見立てかと思うと面白くない。
「でも、君には少し大人っぽいね。今度僕がもっと君に似合う衣装を見立ててあげる。」
黎翔は無駄に対抗意識を燃やしてにっこりと夕鈴に微笑んだ。
「あっ……そう、ですよね。やっぱり私にはこの衣装似合いませんよね。私、やっぱりお色気なんてないし……」
夕鈴の目が涙で潤む。
「いや、そういう意味じゃなくて……」
「いいです。もう着替えますから!瑠霞姫も蘭瑤様も晏流公も気を使って誉めてくれたんです、きっと。」
黎翔の耳に聞き逃しがたい言葉が飛び込んできた。
「ちょっと待って夕鈴。……晏流公も見たの?」
「え?ええ。蘭瑤様とご一緒にいらっしゃいましたから。」
「それで彼は何て?」
「えっと……まるで天女さまみたいだって。」
さすがは我が弟だ。黎翔は晏流公の美的感覚を誉めてやりたいと思ったが、同時に湧きあがるどす黒い思いを消すことが出来なかった。
「そうか。この姿の君を間近で。……夫であるこの私よりも先に。」
夕鈴の腰を攫い、軽々と担ぎあげる。そのまますたすたと寝所へ向かう黎翔の顔に、夕鈴はぞくりと背筋を粟立てた。
「へ、陛下、そんなにこの格好がお気に召さないならもう着替えますから怒らないでっ……」
「だったら私が脱がせてやろう。その方がてっとり早い。」
「やっやだ!」
じたばたと暴れる夕鈴に構わず、その身体を寝台に仰向かせた。
「どうしてそんなに怒ってるんですか!?」
涙目で睨む夕鈴に、黎翔は暗く微笑んだ。
「どうしてか分かっていないことに怒ってる。君は無自覚すぎる。
君で遊んで良いのは私だけだと、その身体に思いきり刻みつけるとしよう。」
撥ね退けようとする手首を片手で抑え込み、もう一つの手で簪がするりするりと抜き取られる。
怯える夕鈴の上に、黎翔の顔が降りて来る。
甘い唇を貪るように奪い、空色の絹から覗く白い太腿の上を、黎翔の長い指が性急に這いあがっていく。
「んっ……や、やめて陛下!今日の陛下、怖いっ。」
「駄目。君が分かるまで抱いてあげる。覚悟しろ。」
夕鈴の抵抗は却って黎翔の暗い欲望を掻きたてる。
嵐のような熱い愛撫が途切れることなく何度も何度も繰り返される。
頭では拒否しようとしても、夕鈴の体は黎翔に教えられたとおりに反応し、それを求めてしまう。
―――悔しい。
夕鈴の意識は明け方までもう何度目かわからないほど、闇に沈んだ。


翌日の昼近く、妃の寝台からはぐずぐずと泣き声が漏れ聞こえてきた。
「へっ、陛下のばかぁっ……今日は午前からまたお茶を飲むって約束してたのにっ……」
「それなら君が気絶している間に使いを出しておいたから心配することないよ。」
黎翔は裸のまま褥の内で嘆く妃の髪を愛おしげに指で弄ぶ。
「僕だってあの女狐どもにこれ以上君を好き勝手されたくないし、ちょっとした仕返しだよ。」
「あんなに何度もっ……これじゃ今日立てないっ……もう、大嫌い!!」
「そんな意地悪を言う口は塞いでしまうよ。何で塞いで欲しい?私の唇か、指か?それともまた別のモノで塞いでしまおうか。」
「もう!止めて下さい!」
「昨夜はあんなに求めてくれたのに。そんなことばかり言うとまた君の体に本当のところを問い質したくなる。」
「それが嫌なんです!」
夕鈴の本気の拒絶に、這い寄る黎翔の手が止まった。
「夕鈴……?」
「いつもいつも、私ばっかり貴方にどきどきして。夜だって、いつも私が先に気絶しちゃうしっ……陛下はいつでも余裕たっぷりでっ……だから少しでも色っぽくなりたいって思ったのに、陛下は怒るしっ……私は陛下みたいに経験豊富じゃないから、うまくいかないんです!!」
ぼろぼろ涙を流す妃に黎翔は固まった。
「あの、夕鈴、泣かないで。その、やり過ぎちゃったのは謝るから。」
頭を優しく撫でているとぱしりと叩き落とされた。
「もう!そのいちいち慣れてる感じが嫌!!」
夕鈴は黎翔に背を向けると頭から布団を被って籠城した。

―――慣れてる感じが嫌。
これは、嫉妬されているのだろうか。
黎翔はしばらく黙った後、静かに口を開いた。
「夕鈴、そのままでいいから、聞いてくれる?
その……王様って、即位する前に本来なら正妃候補の娘が伽の相手として後宮にくるんだ。そこで、色々学ぶわけなんだけど。
王様としては後宮を御さなければならないから。
でも、僕は小さい頃ここを出てしまったし、妃を娶るつもりもなかったから特定の伽の相手はいなかった。
嘘をついても仕方ないから正直に言うけど、過去に女性に触れたことが無いわけじゃない。
だけど、ね。一応僕、辺境に居ても王族だから。もし子でも出来たらそれはそれで問題なんだ。
だから……本当に最後までしたのは、君が初めて。
だって、君は僕の本当のお嫁さんだから。」

私が、初めて。
夕鈴はもぞもぞと頭を覗かせた。
黎翔の顔をそっと覗くと、赤い顔をしてこちらを見つめていた。
「愛しい人と繋がって、最後に溶け合う喜びを教えてくれたのは君だ。」
「陛下……」
どちらからともなく優しく唇を重ねる。
額と額をくっつけたまま黎翔が囁いた。
「それに君って、僕が全然どきどきしてないとでも思ってたの?」
「してるんですか?」
「何時だって。勿論、今も。」
にやりと笑う黎翔の微笑みに不吉な予感を感じた夕鈴は体を固くした。
「へっ、陛下!そろそろお仕事の時間では?」
「今日は半日お休み。まだまだ君にどきどき出来るよ。」
「もう私体がっ……」
「君があんなに可愛く妬くのが悪い。大丈夫。夕鈴は寝てるだけでいいから。」
「いっ……いやぁぁぁぁ!!!」

妃の悲鳴は嵐の後の明るい日差しの中に消えていった。



後記。
行様、ご期待に添えてないかもしれませんがこんなものでお許しを!!
いやー難しいです、いちゃいちゃ。

「最後まで」の見解については、夫婦二人で若干ずれてる気がします。

夕鈴→そもそもいれて無い
陛下→外

えーと。
意味が分からないお嬢様は読み流して下さいねっ!
間違っても誰かに聞いてはいけませんよ!!
おばちゃんは忠告しましたからね!?

下世話ですみません。
お口直しに見返り夕鈴を。

嵐の去った後は




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毒花※蘭瑤・瑠霞メイン | コメント:14 |
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コメント

いやーん、わたくしお嬢様だから意味がわからなーい←どの口が言う!!
いやもう陛下の嫉妬がさもありなん!って(笑)
ご馳走さまでしたー。
2015-06-14 Sun 05:40 | URL | くみ [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-06-14 Sun 09:24 | | [ 編集 ]
こんなに早く書いて頂けるなんて!嬉しい限りです(≧▽≦)。
ドス黒い嫉妬を霧散する夕鈴の可愛らしい嫉妬…さすが無自覚猛獣使い!!(笑)
中出…ゲフンゲフン←下世話加減では負けて無い(笑)
2人でどこまでもとろけてしまえば良いと思います(*´д`*)
2015-06-14 Sun 11:20 | URL | 行 [ 編集 ]
あのー
陛下、言ってないですよ。
その衣装、よく似合うよ。君が美しすぎて誰にも見せたくない・・・と。
夕鈴、まだ自分の容姿に劣等感をもったままでは・・?
・・そして妟流公の簪の贈り物編に続く・・ドス黒い狼再降臨とな?
何杯でもおかわりできます。
ドス黒狼大好き♥
2015-06-14 Sun 11:24 | URL | ゆらら [ 編集 ]
くみ様。
あらあら、そんな可愛らしい嘘をつくお口は何かで塞がれてしまいますわ、お嬢さま(笑)
ばっちり伝わっているようで嬉しいです!
お粗末様でした。
2015-06-14 Sun 15:12 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
あい様。
それはもう、陛下はどちらもご経験されているのではないでしょうか( ´艸`)ニヤリ

大人なお嬢さまは皆さん、私の駄文から意味を読み取って下さるのでありがたいです!
2015-06-14 Sun 15:16 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
勢いと深夜のテンションで書いてみたものの…
次のイチャイチャが同じパターンになりそうな恐怖が襲ってきます(^_^;)
イチャイチャ想像力が枯渇するほどのオヤジ化の進行を止めたいです。

2015-06-14 Sun 15:36 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
ゆらら様。
ぎょわーーー!ご指摘ありがとうございますっ!何て事だ!
初めて問題に気を取られて一番大事なことを書いてないとはっ(T_T)
今日の夜直します!
2015-06-14 Sun 15:44 | URL | rejea [ 編集 ]
な、直さないでください。
できれば『毒花のほの昏き楽しみ~妟流公の簪の贈り物編』(勝手にタイトルつけてる・・)で再度のドス黒狼と勘違い兎嫁の蒸し返しのドタバタなど検討していただければ嬉しう存じます。

シリアス毒花も読みたいけど、ちくちく嫌がらせ毒花も面白そうなので。
2015-06-14 Sun 17:01 | URL | ゆらら [ 編集 ]
ゆらら様。
おお……お優しい(ToT)
確かに簪編を書くとしたら、そこまでいじけていてもらった方が楽しいですよね。
それを瑠霞姫にちくちく怒られる陛下、とか。
簪編、書かせて頂きます!
2015-06-14 Sun 23:47 | URL | rejea [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-06-01 Thu 03:31 | | [ 編集 ]
繭様。
コメントありがとうございます!
過去記事にいただけると嬉し恥ずかしい(笑)

初めての認識はですねぇ…
夕鈴→そもそもしてないと思った
陛下→今までは中●ししてないから、ゆーりんが初めて
という認識のずれがありそうな気がします‼
陛下は避妊はしてそうかなーなんて思いましてこんな感じに書いてみました←下ネタばかりですいません( ;´・ω・`)
2017-06-06 Tue 17:43 | URL | rejea [ 編集 ]
コメント投稿二回目です。もうホントに忙しい時に投稿してたらごめんなさい。
何回よんでもドキドキしますね!陛下の告白に妄想膨らみます。夕鈴は大抵のことは我慢しちゃうから嫉妬の感情をぶつける姿は新鮮。嫉妬しつつ、でもちゃんと言葉にはしてないですよね。陛下が嫉妬にきがついてますし。切ないくらい謙虚。
陛下の女性関係は派手に違いない(笑)!夕鈴が嫉妬するのも納得の過去でしょうけど、そのぶん気持ちは満たされなかったと思うとこれも切ない。
陛下、触れた程度じゃないでしょ?奔放だった陛下の過去が明らかになったら夕鈴がどうなるか、意地悪だけどつい想像してしまう、、、
長文しつれいしました(;・ω・)
2017-07-01 Sat 04:05 | URL | 繭 [ 編集 ]
繭様。
いえいえ、コメントありがとうございます♪

私も夕鈴ががっつり嫉妬してるところ、見てみたいなぁーと思って!
本物夫婦になって、陛下の女の人に慣れすぎな所を間近で見ても夕鈴の嫉妬って爆発はしてないんですよね……
もっと怒ってもいい!若いんだから!
と、色々我慢して頑張ってる夕鈴をそそのかしたくなります( ´∀`)
2017-07-01 Sat 22:28 | URL | rejea [ 編集 ]

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