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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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白陽帝国の花嫁 8

こちらはパラレルです。
足フェチのがっかり狼元帥ががんばって夕鈴を口説いています。
苦手な方はスルーなさって下さい。

サブタイトル「狼元帥の本気」

後記にて少しだけ今月号71話について触れてます。
本文は全く関係ありませんので、ネタばれ回避ご希望の方は本文までで閉じて下さいませ!


壁ドン元帥

そろそろこれくらいはいいんじゃないかと。
壁ドン・顎クイ・足入れの三点セット。個人的には足入れが重要です!




氾 紅珠がやって来てからというもの、李順は胸に湧く不安を消せずにいた。
最初は夕鈴に『自分の身を守れるのは自分だけだ』と諭したせいだと思っていたのだが、どうも違う。 
夕鈴の、黎翔に対するあの距離の取り方。距離を取った後のあの表情。
仕事があるので、と言い捨てて走り去る彼女を廊下で見送る。やはり不安は拭えない。
「花嫁ちゃん、ばっちり元帥のこと意識してんじゃん。」
ふいに背後から浩大が現れてにやつきながら呟いた。
夕鈴ちゃんと呼んだのが気にくわなかった元帥に睨まれて『花嫁ちゃん』と呼ぶことにしたらしいが、今はそんなことはどうでもいい。
「やはり、そう思いますか。」
「やはりも何も、あの娘も大概分かりやすいよね。ま、分かってないのは元帥くらいかな。」
徹底的に避けられて、ここ数日の黎翔は機嫌が悪い。
「まあ、段々元帥も攻めるコツを掴んできたみたいだし、賭の結果はどうでるかなー。」
密林からなんとか無事に帰ってきた克右と、いつ彼女と黎翔が『できあがる』のか賭をしているらしい。
浩大も克右も近い内に本格的にくっ付くだろうと予想しているようだ。
やはりこのままでは二人は見事にくっ付いて、彼女に溺れた黎翔は碌に仕事をしなくなるかもしれない。
(この私としたことが、ガールズトークとやらの威力を甘くみていた。氾 紅珠、余計な仕事をしてくれたものですね。―――この手はできれば使いたくなかったが、背に腹は代えられないですからね。致し方無い……)
李順は悩ましげな吐息をもらしつつ、手元の書簡を見やった。


「……夕鈴。君はまた何か怒っているのか?」
応接机を挟んで対角線上をじりじりと移動する夕鈴に、溜まりかねた黎翔は問いただす。
もう3日もこの状態だ。
今日は李順も周参謀長官との打ち合わせのため席を外しており、久しぶりに二人きりになった機会を逃したくないのだが。
とにかく近寄らせてくれない徹底した拒絶っぷりに、黎翔の我慢は限界に達した。
机に手をつき、マントをはためかせて飛び越え一気に距離を詰める。
「お、怒ってなんかいません!私のことは放っておいて下さいっ。」
真っ赤な顔で夕鈴は慌てて後ろへ下がろうとする。
(急に近くに来ないでよーっ。無理無理無理!どうしていいかわからないし、それに……)
「それに、最初に私のことを避けたのは元帥じゃないですか!」
黎翔は驚いて目を丸くした。
「李順が、私が触りすぎるせいで、君がバイトを辞めたいと言い出すのではないかと言っていたから。嫌われないようなるべく触らないようにしていたつもりだったのだが……」
言いながらどんどん夕鈴へと距離を詰めて来る。
「私としては、君に拒絶されるのが一番辛いことだから。」
執務室の端まで逃げてきた夕鈴の背中に壁が当たる。
「―――さて、先程の言葉は、私にもっと触れて欲しいということか?」
いじわるな微笑みを浮かべて黎翔が囁いた。
「なっ……!ちがっ―――」
違う、と言いかけた夕鈴の顔の横に手が置かれ、もう一方の手が細い顎を掴む。
驚き、身じろぎした隙をついて、夕鈴の足の間に、黎翔の長い足が差し込まれる。
「やっ!離して!!」
足を絡めるように差し込まれた上に上半身で抑え込まれ、全く抜け出ることが出来ない。

狼が身悶えて恥じらう夕鈴の柔らかな唇にかぶりつこうと顔を寄せたその時。
「……どうして、私なんかをからかうんですか?」
ぽつりと赤い唇から震える声が零れた。
少し身を引いた黎翔は、夕鈴の大きな瞳に涙が溜まっている様子を見てたじろいだ。
「貴方は、この国で一番偉い方なんでしょう?なんで庶民でバイトの私を……」
どうせ、色んな女性にこんな歯が浮くようなことを言ってきたんだろう。そう思うとわけのわからない涙が後から後から湧いてくる。
「おモテになるんだから、もっとご自分に相応しい方とこーゆうことすればいいじゃないですか!!」
必至に叫んだ夕鈴は肩で息をしつつ、黎翔を睨んだ。
執務室に夕鈴の息遣いだけが響いた。

「……私が心から触れたいと思うのは、君だけだ。」
絞り出すような黎翔の声に、今にも泣き出しそうな表情に。夕鈴はびくりと震えた。
すぐ目の前の黎翔の顔は突き刺すような痛みに耐えてでもいるかのように歪んでいた。
それを見た瞬間、数日前に紅珠に言われた言葉が頭をよぎる。

―――きっと、初めての本気の恋ですわ。
少し信じて差し上げたらいいんじゃないかと思いますの―――

(あ……私、今この人を傷つけた……)
この人が本気で私を好きなんだとしたら。今の自分の言葉はひどすぎる。
「……ごめん、なさい。ひどいこと言いました。」
夕鈴は俯いて謝った。
「あの、でも、元帥閣下。私、男の人とお付き合いしたことなくて。いきなりこういうことされても困るんです。もし私のこと本気で思って下さってるなら、まずはお友達からお互いを知っていけたらと……」
話している途中でそっと顔を上げると、黎翔はきらきらした目で嬉しげに微笑んでいた。
「君が私の心を信じてくれたことが嬉しい。君が嫌がることは、何もしない。」
すっと体を離して夕鈴の手を取った。
「ただ、お友達は困る。せめて恋人候補くらいにはしてくれ。」
ちゅっと、軽く手の甲に口づける。
夕鈴の顔が一気に赤くなった。
「こ、こーゆうのが困るんです!」
「先ほどはもっと触れて欲しいといったくせに。君は難しいな。」
「言ってませんってば!!もう、離して下さい。私お茶菓子持ってきたのにまだお出し出来てないんですからっ。」
どうにか拘束から抜け出た夕鈴とにこにこ彼女を見やる黎翔。
(そんなに、嬉しそうに見つめないでほしいんだけど……)
恥ずかしさのあまり黎翔から視線を逸らすと、机の上に無造作に放り投げられた書簡に気付く。
「これ、汚れちゃうといけませんから。どちらに仕舞いましょう?」
「ああ、陸軍の将軍からの嘆願書だ。どうせ自分の部隊の予算引上げについて書かれたものだ。捨ててしまって構わない。」
李順はくれぐれも自分で目を通すように言っていたが面倒くさい。
「いつもは李順に読みあげさせているのだが、奴は今居ないしな。」
「でも……読まないのに捨てるなんて。私でよければ読みあげましょうか?意味は分からないかもしれないけど読むくらいならできると思いますよ。」
「それは良いな。退屈な書簡も君の可愛らしい声で読み上げられたなら楽しく聞けそうだ。」
いちいちそーゆうこと言うんだから、とぶつぶつ言いながら夕鈴は書簡を読み上げた。

「えー、元帥閣下にはご機嫌麗しく存じ上げます。この度筆をとりましたのは他でもございません、我が軍の装備の見直しについてでございます。武器の老朽化も進んでおり、先日申し上げました通り、今一度予算の見直しをお願い致したく、平にお願い申し上げます。
それともう一つ。以前可愛がって頂いた姪の事でございます。姪は毎日のように貴方様の事を口にし、『触れて頂いた温かさが忘れられない』と申しております……」
夕鈴の声が読み進めるほどに冷たさを増す。
その目は黎翔をじろりと見据え、他の女性にも思いっきり触れてるじゃないとでも言いたげに鋭く光る。
「つきましては今一度二人きりでお会いいただければ幸いでございます、ですって。」
にこりと笑う笑顔が怖い。
「いや、誤解だ夕鈴!その時は向こうから来たのであって……」
「でも、触ったんですよね?」
「そもそも名前も覚えてないし……」
「へーえ。名前も分からない方でもお触りになるんですね。」
「そもそもどれがその娘だったか……」
「ふーん。そんなにたくさん触ってらっしゃるんですか。」
狼元帥ってやっぱり最っ低―――。

縮んだ距離はあっさりと離れていって、黎翔は人生で初めて本気で女性に心からの謝罪と弁明を5日間に渡って行う羽目になったのだった。


おまけ。
賭けの行方。

「くっそーーー。絶対3日以内にくっつくと思ったんだが。」
克右は髪を掻き毟った。これで今月の給料の半分が吹っ飛んだことになる。
「オレの勝ちだな。もーらいっと!ま、あそこで李順サンが黙ってるわけないよねー。」
にこにこ顔で浩大は克右の前の金貨をザラザラと回収する。
「……浩大、わざと賭けの話をして私を煽りましたね?」
不愉快そうな李順に、やだなーと浩大はひらひら手を振った。
「あそこで李順さんの罠が決まってなかったら、最後までいっちゃってたかもよ?意外とマジで。」
ぐびぐびと酒を流し込みながら浩大は言った。
「ガールズトークってのは怖いねぇ。甘ーい言葉100回言われるより効くんだから。」
「それにしても、今回の罠はちと強力だったんじゃないか?李順。あれ、仲直り出来るのか?」
克右がやけ酒をあおりながら問う。
「しばらくは冷戦状態でしょうがそのうちどうにかなるでしょう。あの娘も結局は元帥閣下に甘いですからね。……だからあまり気が進まなかったんですよ。いつになったら仕事が捗るんでしょうねぇ。」
イラついた様子の李順に浩大はにやりと笑いながら提案する。
「いっそもう狼に喰わしちまえば?色々すっきりして捗るかもよ?」
「嵌り過ぎて出勤しない可能性を否定できますか?」
「うーん、無理っ。」

やっぱり地道な妨害工作しかないだろう。
こうなったら今日は飲もう。
李順も疲れた体に酒を流し込むのだった。







以下後記です。












いや、71話のご夫婦があまりに素敵で、暴走した妄想が三点セットだったんですね。

本誌は感動でした。浩大の素敵な笑顔を見ることができたし。
あの笑顔でまた妄想できるってものです。
克右さんも素敵だったし。

今までコミックス13巻分も遠回りをしてきたふたり。
これから歩む道も大変だとは思うのですが、光溢れるものでありますように。
来月心身共に真の夫婦となったであろう二人を見るのが楽しみです!
なってないかもしれないけど……
そこは諸先輩のブログで脳内補完させて頂きます!













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コメント

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2015-05-24 Sun 02:46 | | [ 編集 ]
足入れは重要ですね!!一気にエロ度が上がります(笑)残念元帥はどこまで残念なんでしょう(^^;)本誌がやれば出来る子陛下で(笑)幸せをやっと掴めたので、残念元帥も頑張って欲しいですね~(^^)昨日は娘の運動会で外に立って居たので、足がダルい_| ̄|○今日はこれから長男の研修会を見に行くので叉外!!私基本的にインドア人間なんで…‥(^^;)キツいっす(笑)誰に似て子供2人はアウトドア何だろう…迷惑(笑)
2015-05-24 Sun 07:39 | URL | 行 [ 編集 ]
Re:
あい様。
土日はどっぷり何回も本誌を読み返しました。
ステキでしたね!
今月も甘甘なのに、もう来月どうしましょう。どきどき。
色んなサブキャラも見られてお得感すごかったです。

元帥はいつまでたってもドンマイキャラですね。
ホント困った人です。書いててもどうしてよいやら…
せっかく足入れたのに不発かよ!と書きながら突っ込みました。
2015-05-24 Sun 23:04 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
行様。
本誌の陛下のカッコよさに、続きを書くのが申し訳ない程のガッカリぶりです(^_^;)
陛下ステキ!
ここまでしか話を考えて無かったので、どうにか両思いになれるような設定を考えたいと思います。
少し間が空いてしまいそうですが、なんとかしたいです…

先日息子とドラゴンボールごっこをしたら一日開けて筋肉痛で足がパンパンに。
かめはめ破わずか5発でこのザマな私も確実にインドア人間です!
海釣りとか丸一日連れて行かれるともう瀕死です。
インドア派が子供に付き合うと体力持たないですよね(^_^;)

2015-05-24 Sun 23:12 | URL | rejea [ 編集 ]
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2015-05-25 Mon 13:22 | | [ 編集 ]
Re:
ゆらら様。
きちんと絵を学んでない輩なのでバランスがおかしくなりました…
身長差が無さ過ぎる(;一_一)

まんざらでもない相手に足入れされたら私でしたら
「お!こりゃあおいしい展開じゃぁ」
と、ただれたおっさんのようにわくわくしてしまうかもしれません!
いや、かなりの確率でわくわくすると思います。
真剣に怒るであろう夕鈴の清廉さがまぶしいです。

もう少しガッカリ狼と衛生兵には仲良くなって欲しいところですが、どうやっても喧嘩ばっかりしてしまうどうしようもない感じです。
またテコ入れしないと駄目そうです。



2015-05-25 Mon 20:55 | URL | rejea [ 編集 ]

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