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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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白陽帝国の花嫁 2

サブタイトル 『狼元帥のおしおき』
調子に乗って第二弾です。
こちらはもはやパロディと化した「白陽帝国の花嫁」の続きです。苦手な方はスルーなさって下さい。
原作のかっこいい狼陛下とは違う、脚フェチの残念系狼元帥でもかまわない、という方はどうぞ!
我ながらちょっとヒドい……
白陽帝国の最高権力者である珀 黎翔元帥は、ここのところ機嫌が悪かった。
執務室で各部隊からの報告書に目を通しつつ、イラついた表情を隠しもせずに書記官の李順に声をかけた。
「なぁ、李順。」
「何でしょう元帥閣下。」
「私は相当、汀 夕鈴に嫌われているのだろうか。」
何を今さら。
そう思ったものの口にはせずに李順は質問を返す。
「何故そのようにお考えなのですか?」
「ひたすら避けられている。」
さもありなん。
そうは思うが口にはせずに李順は黎翔の次の言葉を待った。
「あれから3日間、毎日スキンシップを図っているのだが、一向に打ち解けんのだ。」
「……念の為お聞きしますが、肩や腰をおもむろに抱いたり、スカートの裾や足に手を出したりなさってないですよね?」
「それ以外にどんなスキンシップが必要だというんだ。足は先日触って怒られたからちゃんと我慢しているしな。」
これはダメだ。
この方は恋愛偏差値が低すぎる。
むしろモラルの問題な気もする。
言いたいことは色々あるが、優秀な筆頭書記官である李順は余計な事は口にしない。
「……彼女は今まで貴方に寄って来た金や権力めあての女とはタイプが違いますからね。
その接し方では嫌われて当然です。」
割と丁寧に応えてやった。
生まれ持っての美貌と才覚、さらには家柄と、何一つ不足のない状態で生きてきた黎翔にとって、恋愛とは来る者拒まず去る者追わず。
勝手に風が吹き、雲が流れて行くのと同じで自然現象のようなものだった。
深く考えるなどわずらわしくもあり、第一、一件毎に時間や気持ちを割いていたら到底捌き切れない。
そんな黎翔に近寄ってくる女性は当然あざとくしたたかで、彼が少し触ってやれば舞いあがって思い通りになる者や調子づく者ばかり。
ならば純朴そうな大人しい娘はどうかというと、黎翔のあまりの恐ろしさに縮みあがり、泣きだし、会話にすらならない。
ある意味女という生き物に対して辟易していたところ、彼女―――汀 夕鈴が目に飛び込んできたのだ。
ゴミを投げ捨てた大佐を相手に一歩も引かず、悪いことは悪いと言い切る姿勢、度胸。
誰にでも裏表無く、懸命に掃除に励む様はいじらしく清廉で。
さらには作業服の上からでも分かる美脚の持ち主。
なんという逸材か。こんなにも面白いものが、こんな身近に隠れていたとは。

思いついたら即行動の狼元帥は、しぶる李順に『復唱せよ』との魔法の言葉をかけ、あっという間に夕鈴を自分専属の衛生兵(つまりはメイド)として手に入れた。
だがしかし。
(……彼女は本当に私に懐かない。)
羽ペンを手に、ふーっと溜息をついたと同時に、執務室の扉が控えめにノックされた。
「失礼しまーす。」
夕鈴が紅茶を運んできたらしい。アールグレイの爽やかな香りが部屋に広がる。
にっこり笑いながら彼女を見やると、思い切り警戒しているのか眉間にしわを寄せている。
中にいる李順に気がつくとほっとした様子で入って来て話しかける。
(……面白くない。)
一人蚊帳の外にされた黎翔はますます機嫌が悪くなる。李順は夕鈴に紅茶を置いたら掃除へ戻るよう慌てて指示を出した。

「何故貴様の方が夕鈴と打ち解けているのだ、李順。」
夕鈴が出て行って、二人きりとなった執務室でじろりと睨まれた李順の背中を冷たい汗が伝う。
恐ろしいが、ここではっきり教えておかないと、根本的な解決に結びつかない。
黎翔の機嫌が悪いままでは事務仕事が捗らないし、彼女に対して破格の給金を支払っている意味もない。
李順は意を決して答えた。
「それでははっきり言わせて頂きます。元帥閣下のスキンシップは彼女にとって完全なセクハラです!」
「なっ……なんだと!?全く意識していなかった。」
「はぁ、まぁ元帥閣下にとってはそうなんでしょうね。ですが、彼女はまだ小娘。恋に恋する年頃です。いきなりべたべた触ってもそれは不快に感じるでしょう。」
「なら、どうしたらよい。」
「そうですね、まずは無難且つ王道なところから……」
李順の言葉にふむふむと頷きながら、黎翔は真剣に聞き入った。


一方。
元帥専属衛生兵のバイトとして働いている汀 夕鈴も、慣れない状況に疲れ切っていた。
(毎日毎日、元帥は肩や腰に手を回してくるし、スカートの裾をつんつん引っ張ってくるし。
一体あの人何なの!?それにこの軍服、やっぱり足元がスースーするし、すれ違う人にはじろじろ見られるし、もう、最低!)
男ばかりの職場でこんな短いスカートでふらふらしていれば、それは見られても文句は言えない。
それくらいは夕鈴にも分かる。
(着替えたいっていったら李順さんに『それは貴女の給与2ヵ月分を費やして作ったのだから無駄にしないように。』って言われちゃったし……って5倍の2倍で10倍!?どれだけ高いのよ、コレ。)
溜息をつきながら廊下を歩いていると、向かいから3人程若い軍人が歩いてきた。
端に避けたのだが、何故か前を塞がれる。逆に避けると追いかけるように道を狭まれ囲まれた。
「へぇー。これが最近噂になってる衛生兵か。ホントに短いスカート穿いてるんだな。」
ニヤニヤと上から見下ろされる。
「……仕事があるのでどいてもらえますか。」
摺りぬけようとするが腕を掴まれ進めない。
「そんな可愛い格好で掃除するより、少し俺らと話そうよ。」
「嫌っ!離して下さい!!」
廊下で揉めていると、夕鈴の背後から厳しい声が飛んだ。
「貴様ら、職務中に一体何をやっている!
軍人として恥ずべき行為だと思わんのか。」
夕鈴が振り返ると、目つきのきつい黒髪ポニーテールの若い軍人と、恐ろしく美形の銀髪の軍人が不愉快そうに立っていた。
「方淵准尉!それに水月准尉も……お前ら、行くぞっ。」
声をかけられた男たちは逃げるかのように去って行った。

「あの、ありがとうございました。」
夕鈴は助けてくれた二人へと声をかけた。
にこりと笑った水月が口を開くより先に、方淵のいら立った口調が夕鈴の耳に突き刺さる。
「貴女が元帥直属の衛生兵だとは聞いているが。なんだそのふざけた格好は。
そっ、そのような短い穿きものでウロウロするなど見苦しい!貴女には恥という概念はないのか。」
いきなり苦言を呈されて、夕鈴も溜まりに溜まった鬱憤を抑える事ができなかった。
「これは、私が好きで着てるんじゃないです!
こんな短いの好きこのんで穿くわけないでしょう!」
二人のやりとりを耳にして、じっと軍服を見つめていた水月がおっとり口を挟んだ。
「そうは言いますが二人とも。
これはかなり緻密な立体裁断によって作られた職人の手縫いによるもののようですよ。
体にぴったりと沿うようにできてますが、苦しくはないでしょう?」
「そう言えば確かに……」
夕鈴は改めてスカートの裾を摘むようにして軍服を見つめた。
「だから、それが見苦しいと言っている!速やかに着替えを……」
言いかけた方淵の背後から寒々しい冷気が漂う。
水月は冷気を察知するや否や、驚くほどの速さで一人、身を翻し去っていった。

「―――柳 方淵。貴様はこの私が自らデザインした彼女の軍服が気に入らないとでも?」
凍りついた方淵の背後から地獄の底から響くような声がした。
「元帥閣下!いつからいたんですか。」
「偶々廊下を歩いていたら君の声がしたものでな。
大丈夫だったか。」
驚く夕鈴に答えた元帥はそのまま彼女に歩み寄る。
「っきゃぁ!」
足先がふわりと床を離れ、夕鈴が気付いた時には元帥の胸元に優しく抱きかかえられていた。
(こ、これって、お姫様だっこ……)
一瞬真っ赤になって茫然とする。
だがすぐに我に返り、スカートの中が見えてしまうと慌てると、既に元帥の肩から流れる紅のマントでふんわりと足全体を包まれていた。
(もしかして、さっきから私が嫌がってたから、隠してくれたの……?)
思っていたより悪い人ではないのだろうか。
夕鈴は頬を赤く染めつつ、そっと元帥の顔を見上げた。
「やはり李順の言った通りだな。」
夕鈴の視線を受けて、元帥は満足そうに言う。
「何がですか?」
「君のような年頃であれば、お姫様抱っこは鉄板だと。ついでに言うと、これなら私も君の太腿に合法的に触れる事ができ、一挙両得だ。」

―――前言撤回。やっぱり狼元帥って最っ低。

夕鈴は顔を真っ赤にして黎翔の胸を突き飛ばすように飛び降りた。
「もう!セクハラも大概にして下さい!!私は掃除の続きがあるので失礼します!」
ぷりぷりと怒りながら去っていく夕鈴の歩調に合わせて、ポニーテールに結んだ髪の先端と、スカートのフリルが太腿の上でひらひらと揺れる。
「やはり、絶景だな。」
この絶景を見れなくなるのは辛い。かといって他の者に見られるのは心底面白くない。
ならば、やるべきことはただ一つ。
「方淵。貴様、先ほどの男たちの顔と名前は把握しているな。」
「はっ。」
得物を狙う狼のような元帥の言葉に青ざめつつ、方淵は応えた。
「迅速かつ的確に任務を遂行せよ。
……私は例の部屋で待つ。」
腰に携帯している小型の鞭を手に、ぴしりぴしりと動かしつつ告げるその笑顔は実に恐ろしい。
「直ちに遂行致します!!」
方淵はびしりと敬礼をした後、全速力で男たちを追いかけて行った。


次の日から、夕鈴は全くスカートへの視線を感じなくなった。
寧ろ、廊下ですれ違う皆が自分を避けてでもいるかのようである。
(急になんなのかしら。まぁ、働きやすくなったからいっか。)
彼女は久しぶりにすっきりとした気分で仕事に勤しんだ。

実のところ。
軍人たちの間には、ミニスカートの衛生兵にちょっかいを出した者は、元帥閣下のお仕置き部屋に連れて行かれるという噂が一晩のうちに広まっていた。
その部屋に連れて行かれた者は、二度と夜ぐっすりと眠ることができないほどの恐怖を味わう羽目になるという。
いくら可愛くても、元帥閣下に睨まれるならば触れずにいよう。
この件は暗黙の了解として帝国軍中央本部に知れ渡ったのだった。




後記。
珀元帥は目算で夕鈴のサイズを計測したんだと思います。
かなりじっくり観察して、こだわりたっぷりに作り上げたオートクチュールの軍服なので高いのです。

元帥、今後もう少しまともになる予定では、います……




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白陽帝国の花嫁 | コメント:8 |
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コメント

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-05-11 Mon 03:33 | | [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-05-11 Mon 07:10 | | [ 編集 ]
Re:
あい様。
我ながらやりすぎた感が否めないです(笑)
このままではあんまりにも甘くならないので、次の話で頼れるお兄さん達にテコ入れしてもらおうと思います。
目測はですね。元帥はスナイパーとしても超一流なので、目測で距離やサイズを図るのが得意…ということにしてあげて下さい(ToT)
まあ、穴があくほど見てたんだとは思います……どっちにしろヤバい人ですね(^_^;)
2015-05-11 Mon 20:38 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
くみ様。
原作陛下は狼のクセにやたら耐え忍ぶところが切なくていじらしくて好きなんですが、だったら思う存分迫らせてみよう!と書いた結果がコレでした。元帥は恥じらいとか慎みとか知らないようです。
もっとちゃんと迫らせたいです…
2015-05-11 Mon 20:44 | URL | rejea [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-05-11 Mon 23:48 | | [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-05-12 Tue 08:24 | | [ 編集 ]
Re:
ゆらら様。
このままで大丈夫ですか!?なんとふところの広い…!
サイズ測定は、多分いろんな女性を触って来た経験が活きたんだと思います。
プラス射撃訓練の成果でほぼほぼ正確に目算できたんではないかと!

夕鈴が迫られて困ってるところまでどうにかもっていきたいですが、このがっかりぶりだといつになるやら…

2015-05-12 Tue 16:16 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
あい様。
もちろん今までの実測経験も大いに役立ったことだと思います!
陛下はわからないけど、元帥はきっと色々触ってると思います。
うーん、原作陛下にはやっぱり色々触ってて欲しくないような…
夕鈴だけ触っといて欲しいです(笑)

次で出します!
2015-05-12 Tue 16:21 | URL | rejea [ 編集 ]

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