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狼陛下の花嫁SS・イラストなど

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正妃養成講座~黎翔先生の特別補習編~

注)原作69話の後くらいを想定してます。コミックス派の方はご注意下さい。
李順先生の正妃養成講座~夜の作法編~の続きです。
夕鈴視点です。

なんだか陛下がものすごく怒ってる。牢の中に入ってきた瞬間から。
「李順。我が妃と二人きりで何をしている?」
冷たい声。
青ざめる李順さん。
「あの、正妃としての特訓をしてもらってたんです。さっきまで浩大もいましたし。」
李順さんから離れてとりあえずフォローをすると、それを聞いた陛下は懐から短刀を出して天井の一角に向かっていきなり投げつけた。
「浩大。貴様も後で覚えていろ。」
「……はーい。」
短刀が突き刺さった天井辺りから浩大の声がした。
「まずは夕鈴と二人で話をしたい。貴様らは下がれ。」
怒りを含んだ厳しい声。
さすがの李順さんも何も言わずに下がっていった。
多分、浩大も。
シーンとした牢内に、陛下と私だけが残された。

「……それで、我が妃よ。なぜ君は李順に覆いかぶさって顔を近づけあっていたのだ?」
あれ?陛下私にもめちゃくちゃ怒ってる……
「あの、だから正妃としての特訓で。どうしたら陛下に喜んでもらえるのか一緒に考えてもらっていて……」
冷たい、狼の瞳。
喋っている間にもどんどん詰め寄られていて、後ずさりする足が寝台にぶつかる。
そのままさらに陛下が近づいてきて私は寝台に仰向けで倒れ込んでしまった。
陛下が私の顔の横に両手をついて、完全に私の体を上から覆う。
「―――それを君は夫である私ではなく、他の男に聞いた、と?」
……男?李順さんと、浩大が?
まぁ男か女かって言ったら、そりゃあ男の人だけど。
でも李順さんはお義母様って感じだし、浩大は年の近い兄弟とか従兄みたいな感じだし。
でも、きっと陛下が言ってるのは、そういうことじゃなくて。
さすがに鈍い私でも何となくわかる。

私は黙って陛下を見た。
長い睫毛。さらさらと落ちかかるつやつやの髪。
私の顔の横には大きい手と細くて長い指があって。
手の甲にはうっすら筋が浮いている。
陛下が喋るたびに静かに動く喉仏と、その下にたまに覗くきれいな鎖骨。
段々自分の顔が赤くなるのが、わかる。
ああ。そうか。私って―――

「……陛下以外の人を、男の人だって思ったこと、ない―――」

考えたことがつい口から出ていたらしい。
きまずくて、あわてて陛下から視線を逸らした。
陛下は何も言わない。動かない。
どうしよう、変なこと言って怒らせたかしら。
恐る恐る視線を戻して、私は驚いた。
―――狼が赤面してる。
小犬がかわいらしく赤面してるのは何度か見たことあるけれど。
思わずぽかんと口を開けて見とれた。

「……君は、これ以上に私の心を翻弄する気か。」
低くかすれたような声で陛下が囁いた一瞬後。
突然口づけが降ってきた。

なにこれ。
頭が混乱してよくわからないけれど、私の口の中に何かある。
それは生き物みたいに動き回って、私の口の中を這い回る。

それが陛下の舌だと解ったときには、もう完全に陛下に頭を押さえこまれていた。
「んっ……ふぅっ…」
やめてと言おうとしたけれど、私の発した呻きは直接陛下の口に飲み込まれる。
陛下からの漏れるような熱い吐息も、直接私の中に入ってくる。
二人の吐息が混じり合う。
その最中も陛下の舌は私をひたすらに内からさぐる。
陛下が動くたび、恥ずかしくて、体が震える。
こんなの、知らない。
怖い。
でも、今まで味わったことのない感触と、今誰よりも陛下の近くにいるという事実に。
怖いのと同じくらい、好きという気持ちが心臓が痛いくらいに溢れてくる。
この人が、好き。この人が、愛しい。
もっと、繋がっていたい。

長い長い口づけの後、はぁっ、と陛下が一つ息を吐きながら私から離れた。
もう、その時には私は全身の力が抜けていて、ただ涙を流しながら陛下を見つめるしかできなかった。
もう一度陛下の顔が下りてくる。その瞳は熱で潤んでいるようで。
私は体を固くして、ぎゅっと目を瞑った。

「……今日はここまでで許そう。ただ、私にその身体全てを捧げる覚悟を。愛しい妃よ。」
耳元のごく近くで狼陛下が甘く、低く囁く。
そして、私の耳朶が優しくゆっくりと噛まれた。
敏感になった耳朶に感じる、陛下の舌。

その瞬間。
昼間無理やり老師に聞かされたアレやコレやが頭の中に蘇った。
―――アレを舐めたり、舐められたり。
一気に頭が沸騰して、私は、私は―――

「きぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
思いっきり悲鳴を上げて、陛下を突き飛ばしてしまった。
寝台の下に転がり落ちる陛下。
さすがにまずいと我に返って駆け寄った。
「ごっごめんなさいへーかっ。大丈夫ですか!?」
陛下は床に座り込んで下を向いて俯いている。
「どっどこか、怪我をなさいました!?」
ぷるぷる肩を震わせる陛下。
あぁ、やっぱりどこか怪我をされたんだわ。
「ろ、老師を呼んできます!!」
立ち上がりかけた私の手首を陛下が掴んだ。
「ぷっ……あっははははははは!」
陛下が、爆笑している。
涙まで流して。
「あー、やっぱり夕鈴は夕鈴でいいなぁ。」
そのまま膝に抱っこされる。
ぎゅっと抱きかかえられた姿勢のまま、陛下は本当に楽しそうに言った。
「変な事気にしたり、勉強しなくたっていいよ。僕は本当にこのままの君にいつだってドキドキしてるんだから。だから僕の事喜ばせたいなら、直接僕に聞いてね。かわいいお嫁さん?」

このままって……
どこの後宮に、自分の夫を突き飛ばして喜ばれる正妃がいるっていうの。
やっぱり明日謝りがてら、めげずに李順さんに聞いてみなくちゃ。
私は立派な正妃になるための決意を新たに、こっそりとリベンジを誓った。


翌日。
李順さんには
「貴方のとりなしで死は免れましたが、今後一切私は口を出しません。」
と宣言され。
浩大にも
「やっぱお妃ちゃんはそのままでイイよ。周りが大変だから。」
となんだか距離を置かれ。

うぅ、結局なにも身についてないし、解決法もわからないじゃないの。
正妃への道って、ホントに厳しくて嶮しいわ……





後記。
初めてがっつり絡んだ当ブログの黎翔・夕鈴でしたが如何でしたでしょうか……
やっぱりいちゃ度が足りないですかね?
それはrejea本人に色気がないからです。
それにしても、こういうシーンを一人称で書くって、なんて難しいのか。
なぜって遠い昔にたっくさんの土やら石やらに埋まってしまった自分の乙女心を発掘して、カビとか砂埃を取ってあげないといけないんですよ。
今や、おっさんの気持ちの方がよくわかるのに。(一番ノリノリで書いたのは氾 史晴。)
あさ様、京様をはじめ、他の素晴らしい書き手の皆様のすごさを改めて感じます。

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コメント

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2015-04-26 Sun 13:12 | | [ 編集 ]
Re:
あい様。
気がつけば……まさに私もです。
マンガを読みまくったりイラスト描きまくった生活から足を洗って10年。今さらこんなことになるとは(笑)
あい様とマンガトークができて、こちらこそ嬉しいです♪
いつもありがとうございます!
2015-04-26 Sun 17:45 | URL | rejea [ 編集 ]
いえ、文章に起こせるのがすごいと思います。
ちなみに私はすーっかり干からびておりますf^_^;)
2015-04-26 Sun 19:05 | URL | くみ [ 編集 ]
李順さんに引き寄せられてお邪魔しています。
私の読みたかったお話が今ここに!
そのままの夕鈴をがっつり頂いて欲しいですね。
それに翻弄される李順さんと浩大。
李順さんの艶やかな拒絶シーンが見たいです!
きっと色っぽさ半端ないに違いない!
本当にもう!楽しいお話読ませて頂けて幸せです。
ありがとうございます!
2015-04-26 Sun 20:01 | URL | 羽梨 [ 編集 ]
Re:
くみ様。
こんなに文章を書くのは10年ぶりです(どんだけ書かないんだ…)
おかしな所がたくさんあると思うんですが、読んで頂けて嬉しいです!
本当に私も枯れ果てたーと思っていたんですが原作「狼陛下」のおかげで少し潤ってきた気がします(*^_^*)
2015-04-26 Sun 22:16 | URL | rejea [ 編集 ]
Re:
羽梨様。
まさか常日頃読ませて頂いている羽梨様にコメントを頂けるとは思わず、テンパッています(*_*;
過分なお言葉まで頂戴しましてありがとうございます!!
私めも夕鈴はそのまま頂いてこそ美味しかろう!と思っています\(^o^)/

せっかく頂いたコメント、李順先生イラストをお時間頂いて描いてみます。
出来上がったら紹介文にお名前を載せてもよろしいでしょうか?
2015-04-26 Sun 22:23 | URL | rejea [ 編集 ]

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