星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

李順先生の正妃養成講座~夜の作法編~

注)本誌69話の後くらいです。
かなりふざけた話です。苦手な方はスルーなさって下さい。お色気は皆無です!(ハッキリ)


「夕鈴殿、今、何と?」
疲れと度重なる心労のあまり、幻聴でも聞いたのかと思った李順は目の前にいる后(仮)に問いかけた。
「…だっ、だからっ。私に、その、男の人が喜ぶ方法を教えて欲しいんですっ!」

幻聴かと思ったが、そうではないらしい。
呆れた顔で李順は問い返した。
「なぜ私がそのようなことを。その辺りは後宮管理人の張元老子の管轄でしょう。」
すると夕鈴は真っ赤になって怒ったように俯き、暫くしてから一気にまくし立てた。
「老子は嘘ばっかり言うんです!わっ、私が恋愛経験足らないからって!!……陛下は、そんなことしないものっ!!!」
訳がわからない。
なぜ彼女はこんなに怒っているのか。

李順は無駄を好まない。さっさと夕鈴専属の護衛である浩大を呼び出した。
天井裏から音を立てずに降りてきた隠密は珍しく微妙な顔をしていた。
「あー、李順サン。ちょっと……」
二人で夕鈴に背を向け、小声で語り合う。
「一体どうしてこんなことに?」
「まぁ、老師はちゃんと閨房術教えてたんだけどねー。お妃ちゃんには刺激が強すぎたんだろうね。
……舐めたり舐められたりとか、理解の範疇超えてたんじゃね?」

李順は襲ってきた頭痛に思わずこめかみを押さえた。
なんという馬鹿馬鹿しさだ。
「ほら、お妃ちゃんって母親も早くに亡くなってるらしいし。その後家事にバイトに働き詰めじゃあ普通のオンナノコよりは知識もないだろーしね。」
その上、常日頃からかわれている老師の言葉では信用出来ずにまたからかわれたと思ったというわけだ。
「そんなもん、貴女が大人しく陛下のされるがままになさってたら良いんじゃないですか。」
心底馬鹿らしくて、李順は適当な答えを返した。
「…だって、老師が『何もしなかったら飽きられる』って言うんです。他の人にはバイトだったってばれるから聞けないし、もうお義母様しかいないんですっ!」
半泣きで叫ぶ夕鈴に、誰がお義母様ですか、と突っ込む気にすらならない。
李順が早々に明日の政務について考えていると、またも浩大に小声で話しかけられる。
「オレは面白いからどっちでもイイけどさ。このままじゃ陛下迫る→お妃ちゃんキレる→陛下仕事しない、の黄金パターンじゃね?せっかく気持ちが通じてもこれじゃ、さすがに陛下もカワイソーだしさ。」
「くっ……確かにそうですね。こんなことで政務が滞るのは避けなければっ……」
「だから、李順サンが教えてやれば?男受けする仕草みたいなの。」
「……まあ、正妃ともなれば世継ぎも産んでもらわなければなりませんし。仕方ありませんね。
勿論貴方にも付き合ってもらいますよ。」
「げっ、何でオレまで!」
「夕鈴殿と二人きりでそんな話をしようものなら私の首と胴が離れます。」
二人してため息をついて、夕鈴の方に向き直る。
「とりあえず、老師の話は頭から取り去って下さい。」
「そーそー。とりあえずはさ、陛下がドキッとするような仕種の研究とかでイイんじゃないの?」
「ドキッとって、例えば?」
真剣な問いかけに浩大は、うーんと唸ってから応えた。お妃ちゃんでもできそうなこと。
「恥じらいつつ、断ってみるとか?陛下に触られそうになったらさ。」
「は?どういうこと??」
「おやめになって、とかいって色っぽい顔すりゃ陛下なんか一発だって!」
―――そもそももうこれ以上ない程堕ちてるんだし。
「まあ、試しに練習したらいかがですか。」
このくだらない時間を早く終わらせたい李順も話に乗ってきた。
「わかりました。私、とにかくやってみます!」
夕鈴はやる気に満ちた顔で力強く頷いた。


「……お妃ちゃん、それ、全力で拒否ってるだけだから。もっと色気出してさぁ……」
「じゃあ、こう?」
「……半目でこっちを睨んでどうするんですか……」
これは酷い。
李順と浩大は口には出さないものの、思った以上の惨状に脱力した。
何度もめげることなく練習する姿勢は良いのだが、内容が酷すぎる。
「李順サン、お手本見せてやれば?出来るっしょ。」
「まぁ夕鈴殿よりはマシかと。……この余りに無駄な時間を短縮するには仕方ないですかね。夕鈴殿、こうですよ。」
一歩進み出た李順はさっと顔を伏せ、小さく震える声で言う。
「……お願い、おやめになって。」
『おおおおおおおおっ!!』
夕鈴と浩大は感嘆の声を上げぱちぱちと拍手を送る。
「すごいっ!後ろに花となんかキラキラしたものが見えた!」
「やーすげーわ。前から思ってたけど、ホントに李順サンってノーマル?」
「……給与を減らされたいようですね、浩大。」
「うそうそ、マジやめて。ほら!お妃ちゃん見習ってやってみないと!」
そう言われた夕鈴は困ったように李順にアドバイスを求めた。
「私と何が違うんでしょうね?」
「まあ、陛下から貴女を見た際の角度を計算に入れて、少し見上げるような視線のほうが半目よりは確実に良いでしょうけど。」
角度かー、とつぶやいた夕鈴はしばらく考えた後、ぱっと顔を輝かせて李順を見た。
「じゃあ、私が陛下の役をやるので、李順さん嫌がってみてください。」
言うなり椅子に座らされ、上から顔を手で挟まれる。
「髪が乱れるっ!!おやめなさい!!」
「なるほど、こんな見え方なんですね。思ってたのと違うわ。」
「演技ではなくて本当にやめて欲しいんですけどね…まぁ、こうなったらさっさと体得してください。こうですよ、こう。『そんなっ、おやめくださいませっ!』わかりますか?」
「ほわぁーかわいい。なんですかその女子力。」

くだらない特訓を傍で面白そうに見ていた浩大だったが、突然びくりと体を震わせた。
「やばい。李順サン、オレ撤収するわ。」
李順の返事を待たずに浩大は凄まじい速さで天井裏へと姿を消した。
浩大が慌てて逃げ出すということは、つまり……
「夕鈴殿!離しなさい!!」
「すっごい真に迫ってますよー。さすがですね。」
「だから、さっさとその手をどけなさいと言っているんですっ!」
「はー、こういうパターンもあるのねー。」
今やバイトではない夕鈴を手荒に扱うわけにもいかず、まごついているうちに審判の時は訪れた。

「……貴様は我が妃に一体何をやっている。」
李順はどす黒いオーラを撒き散らしながら近づいてくる主を目に留めて、心の底から誓った。

もう、何があろうとも絶対にこの夫婦の夫婦生活に口は出さない、と。

夕鈴視点の続きはこちらから→黎翔先生の特別補習編

後記。
通勤電車で上記の内容を入力した馬鹿なrejea。
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コメント

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2015-04-25 Sat 10:01 | | [ 編集 ]
本誌、昨日早速ゲットしましたよ!
読みながら「あー!あい様絶対好きだな」と思いました
もちろん私も大好物です♪
次の展開が楽しみですね(^_^)
2015-04-25 Sat 11:11 | URL | rejea [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-04-25 Sat 11:56 | | [ 編集 ]

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