星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

狼元帥と最強の刺客

32000キリ番ゲッターのあい様より、リクエスト頂きました!ありがとうございます♪

当ブログに「ぽんこつ元帥」っていうキャラがおりまして。(本筋は11月から放置しています、すみません)
白陽帝国・帝国軍最高司令官(元帥)っていう、仰々しい肩書きなんですけども、なかなかのぽんこつ黎翔さまです。
その「元帥の子供の話」をご希望とのこと。

なんだろう。
不幸な結末しか見えない(笑)

せっかくなんで別カテゴリからゲストを招いて遊ばせてもらいました。
まずは、ご注意書きを。


ご注意
相変わらずのキャラ大崩壊。素敵な陛下などここにはいません。
激しくふざけたしょうもないシリーズです。「馬鹿め……」と生ぬるく見守ってください。
現パロカテゴリ「あざとい子犬」シリーズの性格悪い黎翔くんが子ども役で出てきます。口が悪いです。
前回、番外編でがっつり致してた元帥(黎翔)と衛生兵(夕鈴)ですが、まだ清く正しいお付き合いをしております。
でも、ゲスイ話です。下ネタあります。

もろもろ面倒な話ですが大丈夫ですか??
気にならないという希有な方は続きからどうぞ!





狼元帥は、自室の扉を開けた瞬間、固まった。
見慣れたビロードのソファー。
その上に座るのは、うさぎのように愛らしい彼の恋人。
そこまでは、いい。
だが、その可愛くて仕方ない恋人の膝の上に、信じがたいものが乗っかっていた。

年の頃は10歳を過ぎたあたりだろうか。
さらさらの黒い髪。
どこかで見たような紅い瞳。
そして、これまたどこかで見かけたような、夕鈴に対するなんとも言えない眼差し。
「髪の毛、さらさらですごくいい匂い」
「ふふ、くすぐったいからやめてったら」
その子供はあろうことか夕鈴の髪を一房手に取ると、頬を擦り寄せて甘えかかっている。
「何なんだ、夕鈴っ!その子供は!?」
叫んだ黎翔を、きょとんと見返した夕鈴は小首を傾げた。
「何なんだって、あなたの子供じゃないですか」
「……私の?」
「どう見たってそうでしょう?」
ほら、とその男の子の顔をこちらへ向ける。
確かに自分とよく似ている。
どう考えても他人ではないような気がするが。
「……私と、誰の子だと??」
「はあぁ?本当に何言ってるんですか。あなたと私の息子でしょ」


「え。」


いつの間にそんな事態に。
黎翔の思考は一瞬停止した。
「いやいやいやいや、ちょっと待て、夕鈴」
彼の記憶では、まだ愛しい彼女とは口付けまでしか済ませていない。
子供が出来るまでの、ある意味最も重要なその過程が、ごっそり抜け落ちている。
なぜ、肝心要のそこをすっ飛ばして、こんなに大きな子どもがいるのだろうか。
解せない。
断じて、解せない。
だってまだ一回も味わってませんから。

「父様はきっと忙しすぎてどうかしちゃったんですね、母様」
「そうね、きっとお疲れなのね」
ふうっと悩ましげなため息をつく夕鈴にむぎゅっと抱きつき、その子どもはうるうるとした瞳で彼女を見上げる。
「母様、父様がダメダメでも、僕がついてますからね!心配しないで下さい」
「ありがとう。優しいわね」
夕鈴もさも愛しげにその子を抱き締めた。


なんだ、これは。
黎翔はさも不快げに眉をしかめた。
この、夕鈴に甘えかかるときの唾を吐きたくなるほどのあざとさ。
確かに、自分が小犬のふりをするときに瓜二つだ。
夕鈴はいとも簡単にころりと転がされてしまうが、端から見ると魂胆が見え見え。正直、苛立ちしか覚えない。
この少年が自分の息子だと言うのなら、恐らく思考も行動も似ているのだろう。
そう思っている黎翔の胸の内を見透かすように、小さな狼はにやりと笑って見せた。
さも、どうだ、僕の方が母様に可愛がられてるんだからな、とでも言わんばかりに。

元帥の、最初から存在しているかも甚だ疑わしい堪忍袋の緒は、あっさりと切れて霧散した。
しかし、ここで怒鳴りあげようものなら、確実に夕鈴はあのクソガキを庇うだろう。
本来自分のものである、芳しく、柔らかな胸許にアレを抱き込んで、慈愛の眼差しを向けながら頭を撫で、そしてきっとこう言うのだ。
「ひどいお父様ね。二人であっちに行きましょう?
お母さんが慰めてあげるから」

奴の狙いは、まさにそれだ。
子どもの癖に、なんという狡猾さだろうか。
しかしこちらも、軍神として名を馳せた狼元帥。そう易々と策に嵌まる筈もない。 
大人の本気を舐めるなよ、小僧!

黎翔は内心の怒りを覆い隠すようにあえて優しげに、にこりと微笑んだ。
「確かに最近忙しいからな。少し疲れが溜まっているのかもしれない。
ああ、こんなときは君の淹れた美味しい紅茶が飲みたいものだ」
「あら、じゃあすぐ用意してきます。
その間、この子をお願いしますね!」
素直な夕鈴はさっと立ち上がり、軽快に部屋を出ていった。


一方。
自室には黎翔と、彼にそっくりの子どもが残された。
「あーあ。せっかく母様と二人になれると思ったのに、父様と二人きりとか最悪ー」
さっきまでのうるきらの瞳は一瞬でどこかへ放り投げたらしい。
その子は、うんざりとした様子でため息をつき、ぼやいた。
「黙れガキが。いきなり現れて私の夕鈴を独占しようとは随分と厚かましいな」
「うわ、それ自分の息子に言っちゃう?
心狭ーい。余裕無さすぎ」
鼻で笑う様がなんともふてぶてしい。
「心底、可愛いげのないガキだな」
「残念ながら、誰かさんに似ちゃったからねえ」
誰もが震え上がる黎翔の突き刺さるような眼差しを受けても、この子は全く堪えないらしい。
逆ににっこりと満面の微笑みを投げ掛けてくる。
黎翔は暫し無言で好戦的な子狼を眺めていたが、何を思ったか、こちらもにこりと微笑んだ。
「百歩譲ってお前が私と夕鈴の息子だとしよう。
ただ、その場合私の勝利が揺るぎないものになるのは明白だな」
黎翔はぐりぐりと少年の頭を押し潰すように撫でた。
「夕鈴はお前にとっては母なのだろう?
だが、彼女は私にとってはかけがえのないただ一人の伴侶。
つまり、夕鈴は名実ともに私のものだということに他ならん」
どうだとでも言いたげに、子ども相手に勝ち誇った笑顔を向ける黎翔に、子狼はぷはっと笑いだす。
「もー、全然ダメダメ。本当に分かってないね、父様」
訝しげに見つめる黎翔を見上げて、彼はけらけら笑いながらこう続けた。
「伴侶伴侶っていうけどさ。
僕と母様は、ちゃんと血が繋がった家族だけど。
父様はぶっちゃけ、母様にとって遺伝子的には他人だよ、他人。
所詮、婚姻という契約に依って結ばれただけの家族っていうか?
結局は夫よりも子どもの方が断然愛しいってよく聞くし?
母様も例外じゃないかもしれないよねー」

「これは、酷いな。どうすればここまでねじ曲がって仕上がるんだ」
黎翔は半ば呆れて子狼を見下ろした。
こいつは悪魔か。
とんでもない性格の悪さだ。
まるで、子供の頃の自分そのもののひねくれ具合ではないか。
どうしたらあの天使のような夕鈴から、こんな悪の化身が誕生したというのだろうか。
「そうか……私の遺伝子のせいか」
どうせなら愛しい彼女にそっくりな娘だったらよかったのに。
ぶつぶつ文句を言って一人納得している父親を眺めやった子狼は、楽しげな微笑みを浮かべたまま、こう囁いた。

「少し本気だして迫ったところでキス止まりって。お互いいい大人なのに、ぐだぐだなにやってるんだか。
―――あ、そうか。なんだかんだでもう腐ってるんじゃない?その『マグナム(自称)』」




奴は今、大変にデリケートな問題に口を出した。
そこだけは触れるべきではなかったのに。
まして、自分の子だというなら、なおさらに。
「いい度胸だ。父の手でその腐った性根を叩き直してやろう」
黎翔は腰に佩いた剣の柄に手を掛けた。
「うわ、家庭内暴力はんたーい。
……でもどうしてもって言うなら反撃するけどいいよね?
これは完全に正当防衛だからさ!」
子狼も、腰に下げている細身の剣に手を添え、後ろに跳び退った。


二人から発せられる異様なまでの緊張感。
互いの間合いを測り、じりじりと距離を詰める。
音も無く対峙する二人の呼吸が同時に止まり、ふっとするどく吐きだされる。
「この父の前に、無様に臥し倒れるがいい!!」
「やれるものならね!!」
二人が叫びざまに剣を鞘から抜き放たんとしたその瞬間。


―――がちゃんっ。


扉を開けた夕鈴の手から、銀の盆ごとティーカップが床に落ちた。

「……元帥、い、一体、何を……」
「ゆっ、夕鈴!!」
夕鈴は茫然と二人を見比べ真っ青になった顔で呟くように言う。
「まさか……自分の息子に剣を向けようとしたんですか……!?」
「いや、違……・わないが、これはお互いにっ……!」
黎翔の説明がなされるよりも明らかに早く。
子狼の顔がうるうるきらきら仕様の子犬へと変貌する。
だだっと駆け寄った子犬は、がばっと夕鈴に抱きつき、涙を浮かべて彼女を見上げた。
「母様、僕が父様を怒らせちゃったんです!
だから、怒られるのも仕方なくて……」
「こ、この悪魔め!!かわいこぶるのもいい加減に―――」
黎翔の叫びを遮るように、夕鈴から低い声が響く。
「元帥。黙って下さい」
「ゆ、ゆう、りん……?」
「もう、怒りました。
―――私、この子を連れて、実家に帰らせていただきますっっ!!!」


「そんな、後生だから考え直してくれ!!夕鈴!!」
「いーえっ!今回ばかりは許せませんから!
しばらく一人で頭冷やしなさい!!このバカ元帥っっ!!」
とりすがろうとする黎翔を振り切るように、夕鈴は子犬のふりをした子狼を抱えて部屋を出て行く。
その瞬間、黎翔の方をちらりと振り向いた子狼はちろっと紅い舌を出して嘲笑っていた。

「待ってくれ、夕鈴!!夕鈴!!!」
必死に叫ぶ黎翔の声に振り向くこともなく、ずんずんと遠ざかる夕鈴。

ああ、最悪だ。
―――絶対に、自分似の息子は要らない!







「元帥、資料持ってきましたよ……あら、お昼寝してたんですか?珍しいですね」
気付けば、いつもと変わらず温かな眼差しでこちらを覗く夕鈴と目が合った。
「昼、寝……?」
「すごい寝汗かいちゃってますね。何か悪い夢でも見たんですか?」
応接ソファーに横になっっている黎翔の長い前髪をそっと掻き分け、夕鈴はハンカチで額の汗をぬぐう。
「うわー、ほら、びっしょり。よっぽど嫌な夢だったんですねぇ」
心配そうに世話を焼く夕鈴の顔を見つめ、黎翔は漸く事態を飲みこんだ。
どうやら慣れない午睡に、かなり後味の悪い夢をみてしまったらしい。

それはそうだ。
することをしなければ、息子なんてできるはずがないのだから。


「夕鈴!!」
がばっと腰に抱きついてきた黎翔の勢いに倒れそうになりながら、夕鈴はなんとかそれを受けとめた。
「どっ、どうしたんですか元帥!!あなたがそんなになるなんて一体どんな夢だったんです!」
よしよしと背をなでてやると、落ち着いたのか、今度は夕鈴の手を両手で包み込むように握りしめ、真剣な眼差しでじっと夕鈴を見つめる。
「元帥……?」
彼の端正な顔に黙って見つめられたまま、優しく手のひらを包まれて。
さすがに夕鈴も、なにやら常日頃と変わった様子に戸惑いを隠せない。
心臓がばくばくと音を立て、うるさいくらいだ。

夕鈴の頬が赤く染まる様を黙って見ていた黎翔だったが。
まっすぐに彼女を見つめたまま、真顔で断言した。

「夕鈴、私はしっかりと避妊することを神にかけてここに誓おう。
……もしどうしても最後まで君の中で果てたいときは、後ろからにする。
そうすると男児が出来にくいと聞いたことがあるからな!」



絶妙のタイミングで部屋に入ってきた李順は、死んだ魚のような目をして言った。
「……婚前交渉してないくせに、なんで真昼間から聞きたくもない家族計画を声高に話してるんですか」
冷静に突っ込まれたことで、あまりのことに放心していた夕鈴は意識を取り戻し、一気に顔を赤くして大きく手を振り被った。
一瞬の後、ばちーーーん、と、久しぶりの小気味よい音が執務室に響く。
「げ、げ、元帥の、ばかーーーーー!!変態!!サイッテーーーー!!!」


脱兎の如く駆けだす夕鈴の後ろ姿を見送って、李順は溜息をつく。
「今のは、確かに最低だと思いますし、体位による産み分けはあまり信憑性がないのでは。
というか、婚前交渉禁止って再三言ってますでしょう」
「本当に、最悪な夢だったな……授かるならどうにかして夕鈴に似た優しい子を授かりたいものだ」
「聞いてますか?元帥!清く正しいお付き合いでお願いしますからね!?」



白陽帝国の恋人たちは一向に関係が進展しない為、概ね今日も清く正しく平和である。







終われ!!
後記。
あい様、ふざけすぎてすみませんでした。
なんだろう、久しぶりにやりたい放題やった感がすんごいです。


痛いコラボ



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コメント

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2016-06-06 Mon 01:01 | | [ 編集 ]
…マグナムww
え?腐り落ちるの?←無意味なんだから良いのかww
私のスマホも会社のPCも(おちる)は(堕ちる)に変換されます。←ナニカ?

こんな息子さん嫌だわ~…我が息子は思春期反抗期真っ只中ですけど、可愛いよ…単純バカでwwwwむしろ娘がこっちに近いかな~←ヤバイ

下ネタゲスネタどんと来い!!(笑)
2016-06-06 Mon 11:55 | URL | 行 [ 編集 ]
こんにちは|д゚)チラッ

元帥似の素敵な息子ですな…( ̄▽ ̄;)
身近には絶対いて欲しくないし関わりたくないけど眺めて笑っていたい。:+((*´艸`))+:。

前に夜中に読んで苦しんだのをすっかり忘れて…ちょっぴり呼吸困難に成ってしまったよ(* ̄ー ̄)シヌカトオモッタ♪
2016-06-06 Mon 14:09 | URL | りこ [ 編集 ]
久しぶりの元帥にあざとい子犬のコラボー!すごい楽しい♪
しかし元帥ってほんとにへっぽこで笑えます。
軍服もののかっこいいヒーローな感じの設定なのに残念さがたまりません(≧∇≦)
2016-06-06 Mon 18:40 | URL | まるねこ [ 編集 ]
あい様。
遊ばせてもらっちゃいましてありがとうございました!
ね。元帥憐れですね(笑)
陛下は苛められないけど、元帥は気楽にいじり倒せるところがいいところ\(^_^)/

現パロのお子さん読みたいーっ!
男の子ですか女の子ですか両方ですかぁぁ!?←興奮しすぎ
2016-06-08 Wed 07:56 | URL | rejea [ 編集 ]
行様。
マグナム腐るって言いたかっただけの話(笑)

やはり娘さんは小悪魔なのですな。
うちの息子はあざとい単純馬鹿です←だめだろ

闇堕ちPC、作業が捗りますね!
変換らっくらく(笑)
2016-06-08 Wed 08:01 | URL | rejea [ 編集 ]
りこ様。
笑っていただけて嬉しいです!
呼吸困難の原因が「rejeaのゲス話」って(;・ω・)
ゲスですいません。でもきっと今後も書きます♪

こんな子どもの側にいる李順少年は本当にえらいと思います。
私も近くにいたくない(笑)
2016-06-08 Wed 08:06 | URL | rejea [ 編集 ]
まるねこ様。
最初はドSキャラにしようと思っていたのに、あれよあれよという間にぽんこつ変態キャラに仕上がりました!
おっかしいなぁ。

そして皆様元帥に優しい‼
なぜ?!(・◇・;)
今は足フェチに優しい世の中なのですか!?
2016-06-08 Wed 08:09 | URL | rejea [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-06-10 Fri 23:25 | | [ 編集 ]
あい様。
うわぁぁぁよかった!
よろしくお願いしますっ(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ガシッ

そしてお祝いコメありがとうございます!
久しぶりに原作設定の夜の話を書き始めたので、そのうちアップ致します←まだオチが決まってない……
2016-06-11 Sat 16:12 | URL | rejea [ 編集 ]

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