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あざとい子犬の恋敵―前篇―

キリバン24000ゲッター様から、リクエストを頂きました‼
ありがとうございます( ≧∀≦)ノ

リク内容は「夕鈴の初恋と、苦戦する子犬」です。
苦戦する黎翔くんってなんだか楽しそう……
と思って、ノープランでお引き受けしました。
結果、苦戦したのは私だったというオチです。

ネタの浮かばなさを補うため、ここはひとつ素敵なイケメンに恋敵の役目を果たしてもらうことにしました。
さぁ、誰でしょうか←バレバレな気もする


注:現代パロ、年齢操作あり。
黎翔……小学5年生。あざといです。
夕鈴……小学1年生
李順……中学2年生
浩大……中学1年生
几鍔……小学3年生
青慎……保育園児

書き忘れていましたが、黎翔・李順・浩大は同じ私立学校の初等部、中学部にそれぞれ通っています。
夕鈴、几鍔は同じ公立の小学校です。
それではどうぞ~。





「どうしよう李順。
僕もう、圧倒的ゆーりん不足で倒れそう」
李順の小さな主は、行儀悪く勉強机に突っ伏して呻いた。
「やる気でない。だるい。
ゆーりんに会いたい、ゆーりんかわいい、あわよくばゆーりんにちゅーしたい、大きくなったらもっと色々したい」
「……後半は聞こえなかったことにします」
李順は眉間に深い皺を刻んで、頭を押さえる。
確かに現状は最悪。なんとも効率が悪い。
それと言うのも、最近、黎翔は在校生代表として学校の卒業式の祝辞の草案を考えたり、式の打ち合わせなるものに付き合わされて、なかなか夕鈴のお迎えに付き添うことが出来ないでいるからだ。
大企業の跡取りである黎翔は学校での勉強の他、経営の英才教育から社交術、果ては伝統文化まで種々雑多に学ぶことを義務付けられている。
正直、文句を言いながらだらだらやっていたら、とても終わる量ではない。
それにこの生意気な子犬ときたら、じっと座っていることが好きではない。
出来ないのではなく、嫌いなのだ。
むしろ、やる気さえ出せば、勉強だろうが簿記だろうが英会話だろうが難なくこなしてしまう。
だったらぐだぐだ言う前にさっさと終わらせたらいいだろうに、と真面目な李順は思うのだが、そこは主従相容れない領域であるらしく、何度言っても素直に従うことは無い。
さらには、最近の黎翔のやる気スイッチである夕鈴に会えないときている。
こうなってしまっては、真面目にやろうとする気配すらないのも分かりきったことではあった。
「浩大がいたら、体動かしてストレス解消とかできるのにー。
アイツ中学生になった途端に付き合い悪くなったからなぁ」
使用人頭の孫である浩大は、現在中学1年。
去年までは同じ初等科に通い黎翔のお伴を務めていたのだが、中等部に進学するとなかなか行動を共に出来なくなってしまった。
「浩大も部活で忙しいらしいですよ。仕方ないでしょう」
噂をすればなんとやら。
李順の宥める声に被せるように、ドアノックが軽快に音を立てた。
「黎翔さま、おつかれー!いやぁ、風邪が大流行で部活中止になっちゃてサ。
ちゃんとベンキョーしてる?……って、どう見てもやる気無さそうデスネ」
机にうつ伏せて唸る子犬を見るなり、苦笑いを浮かべた浩大は、李順にちらりと視線をやった。
こちらもこちらで随分うんざり顔だ。
「煮詰まってんねぇ。これは噂の子兎ちゃんに会えないせい?」
「言い訳の仕様がありません。
こればかりは僕では対処出来ないので」
はぁーっとため息をついた李順の肩に、浩大は手を置いて労った。
「しょーがないっす。この人、誰の言うことも聞かないから。
もういっそ、気分転換がてら子兎ちゃんの家まで行ってみる?」
「しかし、まだ今日の課題が……」
「どうせここに座ってても進まないって。今日ならオレ部活休みで付き合えるしサ」
それにほら、と親指で示す先には、紅い瞳をきらきらに輝かせた子犬の姿。
幻のしっぽが、ぶんぶん風を切る音まで聞こえてくるようだ。
「まったく、仕方ありませんね」
李順もやれやれと重い腰を上げた。



「黎翔お兄ちゃん!どうしたの?」
突然訪れたにも関わらず、夕鈴は輝くような笑顔で黎翔を出迎えた。
「いや、ちょっと顔が見たくて……
最近全然会えてなかったから」
少し離れて見守る浩大は、思わずぶはっと笑いを漏らした。
「何アレ!ウケる!耳まで真っ赤じゃん」
「まぁ一人で会いに行くのは初めてですし。小さい子相手に、ご覧の有様ですよ」
久しぶりで会うのだからたまには一人で行かせてやろうという浩大の提案に乗ってみたのだが。
あんな様子の主を見るのは、李順と言えど新鮮だ。
「こりゃぁ大分本気だね。どーすんの?李順サン」
「大旦那さまには内密に。報告すべきことでもないでしょう。
―――今はまだ」
「そうだね。イイ子そうだしな、あの子」
二人は真顔で頷き合った。
黎翔に関わることは全て珀家の当主である彼の祖父に報告するよう義務付けられていたが、李順は独断で夕鈴の事は言わずにいた。
できることなら、面倒なしがらみとは無縁でいて欲しい。
「黎翔さまの隣にいるには、いささか良い子過ぎるでしょう」
「相変わらず苦労性だネ」
ふっと浩大が息を漏らす様に笑ったその時。
「おい、また来てんのか?金持ちヤロー」
棘を含んだ声が投げつけられた。


「ちょっと几鍔!あんたこそ呼んでないのに来ないでよ!」
「お前は黙ってろよ。オレはこいつと話してんだっつーの。
金持ち学校のやつが、面白半分に家の周りうろついてんのがむかつくんだよ」
「えー?僕は夕鈴に会いたくて来てるんであって、君になんてこれっぽっちの興味も無いし。
正直、迷惑かけてないと思うんだけどなぁー」
「そうよ、あんたの家に来てるんじゃなくて、黎翔お兄ちゃんはうちに来てるの!
ほっといてよっ」
にこやかに毒を吐く黎翔を庇うように、きゃんきゃんとわめく夕鈴と、そんな二人をじろりと睨みつける、几鍔と呼ばれた少年。
「えー、黎翔さま、三角関係なの?子供のくせに生意気ー」
浩大はますます笑いを堪えられないとでも言いたげに口許を押さえた。
「彼は夕鈴さんの幼馴染です。
家族ぐるみで懇意にしていて、普段から彼のお母さんが夕鈴さんたちの面倒を見てくれているようですよ」
「へぇー、それはそれは。さしずめ恋のライバルって感じ?
まぁでも、あの調子じゃうちの子犬の敵じゃないかな」
浩大の目からすると、夕鈴は明らかに黎翔の方に好意を持っているように見える。
「できれば黎翔様の機嫌が良いまま帰りたいんですけどね」
「そうだネ。まぁ、あのボーズが居たところで、そんなに影響無さそうだけど……」
李順も浩大もとりあえず大人しく見守ることにしたのだが、几鍔の一言でその場の空気は一転した。
「とりあえず、こいつのことは置いといて。
おい、夕鈴。兄ちゃんが帰ってきてるぞ」
「えっ!?ウソ!本当?お兄ちゃん来てるの!?」
「お前が会いたがると思って、教えにきてやったんだよ。
どうせなら青慎も呼んでこいよ。兄ちゃんちまで行こうぜ」
玄関まで出てきた青慎と手を繋いだ夕鈴は、紅潮した頬を黎翔に向けた。
「ごめんね、黎翔お兄ちゃん。用事が出来ちゃったから行くね!」
「あ、ゆーりん……」
伸ばした手をすり抜けるように、夕鈴は走って行った。
几鍔が去り際ににやっと笑っていたような気がするが、そんなことはもはやどうでもいい。
李順と浩大はおそるおそる黎翔に近付いた。
「えーと……黎翔さま」
「今日のところは帰りますか?」
黎翔は振り向かない。
近付いてみると何やらぶつぶつ言っている。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん?僕の他に、夕鈴にお兄ちゃんがいる……?」
(うわぁ……)
二人は真っ青な顔で息を飲んだ。
「李順、浩大」
「……はい」
「後を追うぞ」
「……ですよネー」
こうなってしまったら、大人しく言うことを聞いた方がいいのは分かっている。
二人は天を仰いでから小さな主の後に続いて駆け出した。



「おー、夕鈴ちゃん久しぶりだな!」
朗らかな声に、夕鈴は心底嬉しげに微笑んだ。
「お帰りなさい、克兄ちゃん!急に帰ってくるなんて思わなかった」
背の高い青年は困ったように頬を掻く。
「いやぁ、急にサッカー部の寮のシャワーが壊れてさ。
改修する間実家に顔出せって言われちゃってなぁ」
「ちゃんと練習してる?ご飯は好き嫌いしないで食べてる?」
「だいじょうぶだって。相変わらずだなぁ」
困ったように眉毛を下げた青年を見上げた夕鈴は、むうっと頬を膨らませた。
「あー、もう!またネクタイ曲がってる。何回言っても適当なんだから……
はい、屈んで!克兄ちゃん」
屈んでネクタイを直す夕鈴の姿を電信柱の陰から見ている黎翔は、背筋が冷たくなるような冷気を発している。
「何アレ……ネクタイ直す夕鈴とか。あれ、僕の夢だったんだけど。
なんでぽっと出のおっさんがそんな良い目見てるわけ……?」
「前からの知り合いのようですし、どちらかと言えば我々の方が夕鈴さんにとっては、ぽっと出なのでは……いえ、なんでもありません」
李順はじろりと睨まれて、慌てて口を噤んだ。
「浩大―――さっさと調べ上げてこい」
「……ですよネー」
完全に狼と化した主の命は絶対である。
浩大は四の五の言わずにその場から走り去った。
「明日から毎日来るぞ、李順」
「黎翔さま……あの、祝辞の草案は……」
「うるさい」
どうやら何とも間の悪い時に来てしまったようだ。
李順は深ぶかと肩を落として、頷くしかなかった。



後記。
長くなっちゃうので一回切ります!ごめんなさい。
遅くなったおわびとして、設定落書きを三人分…
几鍔は眼帯取っちゃいました。
ガーゼ眼帯だと何だか痛々しくてかわいそうだったので。

几鍔、青慎、浩大


萌え絵は難しいから無理でした!
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現代パロ | コメント:10 |
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コメント

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2016-02-21 Sun 08:16 | | [ 編集 ]
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2016-02-21 Sun 09:23 | | [ 編集 ]
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2016-02-21 Sun 12:28 | | [ 編集 ]
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2016-02-21 Sun 15:56 | | [ 編集 ]
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2016-02-21 Sun 23:34 | | [ 編集 ]
あい様。
完全に個人の趣味として、克兄ちゃんがライバルになりました(笑)
結婚するなら克兄ちゃんですよね♪
緩めちゃいましょうか、ネクタイ\(^o^)/

最近全然シリアスネタが浮かびません
やっぱり残念脳だからだろうか…
ついつい黎翔さまを残念にしたくなってしまいます(もはや病気)
2016-02-22 Mon 15:42 | URL | rejea [ 編集 ]
ちづるん様。
こっくー好きさま、いらっしゃいませ!
いいですよねぇ、克右。
身近にいたら、ぜひいじり倒したいです。
そしてSっぽい彼女を斡旋します( *´艸`)
日々ニラニラできそう…

2016-02-22 Mon 16:31 | URL | rejea [ 編集 ]
24000ゲッター様。
ありがとうございます~!
話がまとまらなくて…オチだけは決まってるんですが…
早くまとめたいのに、キーボードが反応しなくなるし((+_+))
ダンナのノーパソ使いづらい!!

黎翔くんには、めったにない機会なので無力さを味わってもらいたいと思います←鬼
むき~~~ってさせられるように頑張ります(・ω・)ノ
2016-02-22 Mon 16:41 | URL | rejea [ 編集 ]
高月慧ネン様。
待ってて頂いたなんて嬉しいです~っ♪
うわーっ頑張ろうφ(..;)まとまれ文章‼

お父さんとか、それこそ兄弟のような、安定の世話焼きポジです几鍔くん。
克兄ちゃん(善人)は小学生の黎翔くん(性格悪)にとって強敵になれそうかなぁと思ってます(笑)
2016-02-22 Mon 20:14 | URL | rejea [ 編集 ]
仕事し過ぎ中様。
お仕事お疲れ様です(|||´Д`)←今日もこどもの看病で休みな私

几鍔くん、絵描いたらすごい楽しかったです!
ランドセルにリコーダー差してみたり。
練習する几鍔想像したら楽しかったです♪

克兄ちゃん、どうしましょうねぇーーーーσ(^_^;)
悩む!悩みます‼
2016-02-22 Mon 20:20 | URL | rejea [ 編集 ]

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