星空の隙間

狼陛下の花嫁SS・イラストなど

あざとい子犬

あざとい小学生


ネタ切れしております。
なにもないのもアレかな、と思ってですね。
今練習中の萌を意識した絵柄でも描こうとしたらこんなのになってしまったという。

ちなみに自分の元々の絵柄は、少女マンガとも萌とも無縁なやつなので、毎回描くたびに顔が変わります。


続きを開くと、どうしようもない設定遊びがあります。
現代パロ、年齢操作あり。多分主役は李順さんです。
何でも大丈夫な方のみどうぞ。
おそるおそる投下して逃げます!


黎翔……私立小学校5年生。大企業の跡取り。あざとい。
夕鈴……公立小学校1年生。
李順……黎翔の付き人。中学2年生。苦労人。
青慎……保育園児。


「黎翔さま、今日もまたあの子のところへ行くんですか」
李順は、中学生にしては大人びたメタルフレームの眼鏡を指で持ち上げながら言った。
その顔はあからさまにうんざりとしていて、彼が多分に今の状況をもて余しているのだと一目で分かる。
それでも「駄目です」とか、「いい加減にしなさい」と言わないのは、もう数えきれないほど同じことを言ったのにも関わらず、全く効果が無かったからである。
「もちろんだよ、他にやることなんてある?」
黎翔は鼻歌を歌いながら弾むような足取りで前を歩いていく。
保育園に毎日弟を迎えに行くのだというその少女と偶然出会ってから、かれこれ一月。
こうしてほぼ毎日のように、彼女の送迎に付き添う黎翔に振り回される形で、李順はすっかり引率のお兄さんと化しているのである。

生まれたときから珀家に仕える家の者としての宿命を背負っているのは、李順も十分自覚している。
それでもやはり同級生たちの部活に汗を流す様や、趣味の話で盛り上がっている様子と比べて、自分は一体何をやってるんだろうなぁ、と嘆きたくなるのも、無理はない。
しっかりしているとは言っても、彼もまだ子供なのだ。
先日は、きゃいきゃいとはしゃぐお子様たちと連れ立っているところを運悪く同級生に見つかって、翌日学校へ行ってみればすっかり「お母さま」というアダ名が定着していた。
中学生男子にとっては、正に不名誉以外の何でもない。
(何が悲しくて小学生二人に保育園児と毎日毎日……
もう少し人並みに青春送っても、バチは当たらないんじゃないか?)
李順は胸のうちで人知れず愚痴をこぼした。


「あっ、いたいた!ゆーうりーん!」
肩を落として付いてくる李順など気にも止めず、黎翔はブンブンと手を振りながら、前を歩く小さな女の子に向かって駆けていく。
「あっ、黎翔おにいちゃーん!こんにちはぁ!」
呼びかけられてこちらを振り向いた女の子の、輝くような笑顔に少しだけ厭わしさを感じた李順は、そんな自分を恥じるかのように軽く頭を振った。

駆け寄った黎翔はそのままの勢いで女の子を抱き上げて、くるくると回る。
「こんにちは、夕鈴!今日もかわいいねっ」
「きゃははっ、目が回っちゃうよぉ!」
「こら、怪我したら大変ですよ!」
路上ではしゃぐ二人に注意しながら近寄る李順に、夕鈴と呼ばれた少女は律儀にぺこりと頭を下げた。
「李順さんも、こんにちは!」
「はい、こんにちは、夕鈴さん。
今日もお迎えご苦労様さまです」
互いの呼び名が他人行儀なのは、もちろん李順の主たる黎翔の意向である。
一度、夕鈴が黎翔に対するように「李順お兄ちゃん」と呼びかけたことがあったのだが。
夕鈴から見えないように、紅い瞳をぎらりと光らせ、こちらを威嚇する小さな主の表情は、長年側に仕える李順ですら、もう見たくないと思うほど恐ろしかった。
「さぁ、青慎くんが待ってますよ」
放っておけばいつまでも夕鈴とじゃれついているであろう黎翔の背を促して、李順はもうすっかり覚えてしまった保育園へと続く道へ足を向けた。


夕鈴の弟である青慎と連れだって、4人はいつもの様にとりとめもない話をしながら帰路に着く。
この姉弟は基本的にはいい子で真面目。
李順にとってはそれだけが救いであり、またそれだけに二人のことが心配なのだ。
「それでね、今日は学校で新しい歌を習ったの」
「へぇーそっかぁ。ゆーりんの歌、聞いてみたいなぁ。
今度の土曜日に遊ばない?その時に聞かせてよ。
夕鈴、さっき土曜日は暇だって言ってたもんね?」
無邪気な顔で次の約束を取り付けようとする黎翔だが、断る余地を残さない辺りが彼らしい。
姉弟の家の前まで来ると、黎翔はいつものように夕鈴の柔らかくつやつやしたほっぺたに、ちゅうっと口を付けた。
「またね、ゆーりん。青慎くんも。
土曜日楽しみにしてるからね!」
「うん、またね!黎翔お兄ちゃん」
「おにいちゃん、ばいばぁい」
一見すると邪気の無い、子犬のようなキラキラした笑顔に純朴な二人は誤魔化されているのだろう。
夕鈴にだけ与えられる親密過ぎる挨拶も、すっかり定着化してしまっている。
「僕って海外にいたからついこうしちゃうんだよね」
と言っていたが、彼女以外にこうした行動をとっている場面には、ついぞ遭遇したことがない。
李順はなんとも言えない顔で三人を見つめるしか出来ずに、玄関先で突っ立っていた。


「決めたぞ李順。
僕は大きくなったら夕鈴をお嫁さんに貰う」

初めてあの二人と会った日の夜。
自室のソファーの上で大真面目に宣言した黎翔の眼は、完全に得物を見つけた肉食獣そのものだった。
(あの子も運が悪いというかなんというか……
こんな幼い内に黎翔さまに見初められるなんて)
子供の他愛ない初恋からくる可愛らしい発言では済まない恐ろしさが、黎翔の爛々と光る目から伝わって、李順は背を震わせた。
彼の主は、やる。
やると言ったら、絶対にやるのだ。
きっとこのまま、刷り込みよろしく夕鈴の初恋の相手は黎翔になり、
「大きくなったら、黎翔お兄ちゃんのお嫁さんになるの!」
と言いだすのも時間の問題だ。
絶対の自信と、周到なスキンシップ。
本当に貴方は小学生なんですかと、痛む頭を押さえて問いかけたくなる。



「楽しみだなぁー。あと9年。
僕が20歳になれば夕鈴は16歳。
……そうなれば、ばっちり合法だよね」
二人で歩く帰り道、不穏なセリフが耳を掠めるが、敢えて聞こえない振りをする。
「りーじゅーん」
「……」
「りーじゅーんー」
「……成人が未成年に手を出す行為は合法とは言えないんじゃないでしょうか」
「あはは、バカだなあ。違うよ、結婚だよけっこん!」
あっけらかんと笑う黎翔に、李順は毒気を抜かれて軽く微笑んだ。
好きな子といるには、結婚。
実に素直で、真っ直ぐな子供らしい考えだ。
主にも年相応の子供らしいところがあったんだと、思わず胸を撫で下ろす。
「ああ…結婚なら女性は16歳から出来ますね」
「早い話、結婚しとけばそのあとは対未成年だろうが、合法なんだろう?」

返事なんて、しなければよかった。
ニヤリと笑うあざとい子犬に、李順は思う。
今後の自分の人生は、きっと並大抵の苦労では済まない。
(人並みの青春なんて、甘かったなぁ……)
「どーしたの、元気ないなぁ李順。疲れてるなら休み増やしたら?
手近なところで、土曜日とか」
「いや、もういいです、本当……
なんというか、諦めつきました」
心配な振りをして、土曜に自分だけであの子と遊ぶつもりなのは見え見えだ。
あざとい子犬は、目の届かないところで何を仕出かすか分からない。
「しっかり監視させて頂きますからね!」
じろりと眼鏡越しに見やれば、チッと舌打ちが反ってくる。
「何ですか、行儀の悪い!」
「はぁーい、オカアサマ」
「……何でそのアダ名を知ってるんですか」

本当に、タチが悪い。
李順は明るく笑う黎翔から目を逸らして、空を仰いだ。
春らしく霞んだ青い空。
ゆったりと流れていく白い雲。
(青春って、どこにあるんだろうなぁ)
そんな彼に追い討ちをかけるように、黎翔は言った。
「李順、お前僕のことより自分はどうなんだ?
好きな子とかいないの?って、まあ、お前のことだからいないだろうけどさ。
毎日つまらなくないの?」

もはや誰のせいですかと言い返す気にもならず、空を仰いだままの李順の視界の片隅で、桜の花びらが頼りなげに風に舞っていた。







後記。
眼鏡に黒学ラン李順さんをイメージしつつ書いてみました。
きっとしょっちゅう女子に呼び出されて告白とかはされてるんでしょう。本人にその気がないだけで。

今まで書いた黎翔さまの中でも、トップクラスのタチの悪さの子犬。
子供らしく欲望に忠実で、悪気はないからこそ余計タチが悪い感じですね。
書いてて楽しい(笑)

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コメント

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2016-01-28 Thu 09:00 | | [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-01-28 Thu 21:38 | | [ 編集 ]
書くの楽しい(笑)に笑いましたが読むのもめちゃ楽しいですよ〜(笑)
ネタ切れ文字入り絵なのに、こちらが読めるとか本当にlucky*\(^o^)/*
あざとい子犬は私立校らしくカッコ良い短パンの制服ですね(#^.^#)!良いいい〜✨
李順さんの今迄もそしてこれからも‥(-。-;おっつかれ様ですね‥‼︎
2016-01-29 Fri 14:02 | URL | 仕事し過ぎでしょーしょーダウン [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-01-31 Sun 16:31 | | [ 編集 ]
あい様。
あざといですよね。そしてなんかヤバイ子供…
李順さんの青春はきっと主と共にあるはずなので頑張ってもらいましょうヽ(^o^)丿ニラ☆

合法的に「家族になろうよ」って福山ばりのイケメンボイスで囁いて、合法的に家族を作るんでしょうね……(遠い目)
さぁ、何も考えずに書いてしまったおばちゃんにも、具体的なプランを教えてくれ(笑)
2016-01-31 Sun 17:37 | URL | rejea [ 編集 ]
ゆらら様。
タチ悪いんですよ、子犬のくせに。なんとなくエロそうだし。
絵描いたらすんごくあざとそうに仕上がったのでこんな感じになりました。
笑ってもらえて嬉しいです♪

成長したらどうなってしまうんだろう、この黎翔さん……
陛下より身分的に自由そうだし、性格悪いし、李順さん生きていけるんでしょうか(^_^;)
大事なスパイスとしてどうにか生き抜いて欲しいです。
2016-01-31 Sun 17:42 | URL | rejea [ 編集 ]
仕事し過ぎでしょーしょーダウン様。
お体の調子はいかがですか?ご自愛くださいませ!

19歳で上京して、初めて短パンの小学生ってホントにいるんだなぁとびっくりしたことがありました。
私の田舎にはいなかった(笑)
李順さんも黒学ラン似合いそうですよね。お母さまだけど。
男子校・白陽学園。黎翔さん李順さん浩大克右水月方淵几鍔、皆学ラン……イイと思います!!
2016-01-31 Sun 17:51 | URL | rejea [ 編集 ]
くれは様。
はじめまして!そしてリクありがとうございます♪
コメント、両方とも読ませて頂きました!
嬉しいです~~(*^_^*)
あの困ったちゃんをステキと言って下さる度量に度肝を抜かれました!!

頑張って考えます!
目指せ、ガッカリ封印!目指せ、甘あま!←自分に不安を感じつつ…
2016-01-31 Sun 17:59 | URL | rejea [ 編集 ]

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